NYダウは2万6,000ドル台回復、「トリプルトップ」指摘も

 では、その米国株市場についても見ていきます。下の図2は米NYダウ平均株価の週足チャートです。

■(図2)米NYダウ(週足)の動き (2019年6月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 足元のNYダウは2万6,000ドル台乗せまで株価を戻していますが、過去にさかのぼってみると、2万7,000ドル前に力尽きる場面が3度ほどあり、「トリプルトップ」を指摘する声も聞かれます。

 一般的に、トリプルトップもしくはダブルトップが形成されて相場が下落していくには、「ネックライン」を下抜けることが条件のひとつとされています。上の図2で想定されるネックラインは3本ありますが、いずれも現在の株価水準からはかなり下に位置していることが分かります。

 株価がこれらのネックライン水準まで下落するということは、トリプルトップの形成を待たなくても、すでに下落相場入りしている状況になっていると言えるため、むしろ重要なのは反対側の上値の重たさとその余地の方になります。すでに2万6,000ドル台乗せを回復したNYダウがさらに一段高していくには、かなりのエネルギーや材料が必要になってきます。

 反対に、FOMCの結果がいったんの材料出尽くしと受け止められ、さらに、G20に向けて米中関係の改善などが見られなければ警戒ムードが強まり、値動きが荒くなることも想定されます。