本日の注目通貨

ドル/円:109円台で小動き

 この日発表された4月の米小売売上高は、+0.2%の予想に対して▲0.2%という結果。鉱工業生産も弱く予想0.0%に対して▲0.5%でした。米中貿易摩擦(中国側は「摩擦」から「戦争」へ表現を変更)が今後さらに深刻になる可能性もあるというのに、すでに第2四半期の米国経済が弱いスタートなのは懸念。

 しかし、ドル/円は109.16円まで下げたものの、108円台は回避しました。株式市場の動揺を気にしたトランプ大統領が「輸入車に対する関税発動を最長6カ月延期する」と述べたことで、引けにかけては109.70円まで回復する場面もありました。

 それに日銀総裁がタイミングよく「追加緩和、追加緩和」と発言するので日米金利差から円はなかなか買えない。トレーダーは逆に買うタイミングだと考えているようです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

豪ドル/円:雇用統計悪ければ、来月利下げか

 豪ドル/円は15日のマーケットで75.52円まで下落。豪ドルが対ドルでフラッシュクラッシュ以来の安値をつけるまで売られたことにツレました。

 米国指標も良くないですが、中国も4月鉱工業生産が予想を下回る結果。米国が制裁関税を実施したなら、中国経済はさらに悪化することを予見させるデータで、中国との交易関係の深いオーストラリアにとっても暗い材料となりました。

 今日の東京時間のハイライトは4月豪雇用統計。なぜ重要なのかというと、RBA(豪準備銀行)が今月の政策会合利下げを見送ったのは、労働市場がまだ強さを保っていたからです。したがって結果が弱ければ、RBAは来月(6月)利下げするとの見方が強まっています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成