中国の国家資本主義が、批判の的に

 米政府の発表によると、米中で、貿易についての合意はほぼできていたようです。ただし、巨額の補助金を投入して、ハイテク産業で一気に世界シェアをとっていく中国の「国家資本主義」のやり方を禁止する件で、議論が平行線となっています。

 中国は、このやり方で、粗鋼生産、太陽電池、スマートフォンなどで、次々と世界シェアトップを奪ってきました。今後もこのやり方で、液晶パネル、半導体などで、世界トップを取っていくことを国家戦略としています。

 米政府の発表によると、中国政府は、当初、補助金を禁止することで合意していましたが、最終段階でそれを反古にしてきたようです。中国の成長戦略の根幹なので、ここはどうしても譲歩できないという考えです。一方、米政府は、補助金を使った不公正競争を止めることについて、妥協はできないとの立場です。

 中国は、20世紀後半、社会主義の体制を維持したまま「資本主義革命」を行い、経済の資本主義化を進めました。その成果で、21世紀に入り、高成長を実現してきました。その結果、世界第2位の経済規模となってもなお、自由主義経済と、計画経済が混合するいびつな経済体制となっています。

 米中の覇権争いの根幹にかかわる問題だけに、両国で合意を得るのは難しいと考えられます。

 

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