今週は波乱含みのスタート。トランプ大統領の発言の影響は?

 ただし、冒頭でも触れた通り、米中関係悪化懸念の台頭がきっかけで、6日(月)の米国株は下落しています。

 トランプ大統領の発言は駆け引きに過ぎないとの見方が強いようですが、関税の引き上げは、最近まで「合意が近い」と言われていたこのタイミングで行うには刺激が強すぎるカードであり、むしろ、「米国が思っているほど交渉が進んでいなかったのでは」と捉えた方が自然なのかもしれません。実際に関税の引き上げは行われず、市場に安心感をもたらす展開も想定されますが、交渉の進展に対してあまり期待できず、株価を押し上げる力は限定的となる可能性があります。米中関係の悪化は中国経済の足かせになる他、国内外の企業業績の見通しを曇らせるなど、相場にとって負の材料の連鎖となるため注意が必要です。

 さらに、図3の表にあるFOMCについても、会合後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見の内容が利下げ期待を後退させるとして株価が下落する要因となったことも留意すべき点と言えます。これまでFRBのハト派姿勢が株価を支えてきましたが、「利下げありき」をかなり織り込んでいたことをあらためて示したからです。

 そのため、今週の国内株市場は受け身になりがちで、日経平均は節目の2万2,000円台やこれまで突破してきた移動平均線などがサポートとして機能するかが焦点となります。新元号相場スタートのお祝いムードや国内企業決算を材料にして、株価が下がったところで買いが入るのかが試される週になりそうです。