REITには、さまざまな種類がある

 REITには、さまざまな種類があります。もともとは、不動産に投資するファンドでしたが、近年は、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。純粋な不動産投資と言えないものも増えています。代表的な種類とファンドは、以下の通りです。

REIT種別と代表的ファンド、分配金利回り:2019年4月24日時点

注:楽天証券経済研究所が作成。分配金利回りは4月24日時点、今後、変更になることもある

分配金利回りが高いものほど有望というわけではない

 上表の代表銘柄は、分配金利回りの低いものから順に並べています。このような表を見ると、利回りの高いものほど有望で、利回りが相対的に低いものが魅力がない、と考える方もいますが、必ずしもそうではないことを強調しておきたいと思います。

 一般的に、利回りが高いファンドほど、将来、分配金が引き下げられるリスクが高く、利回りが低いファンドほど、分配金が引き下げられるリスクが低いといえます。十分な投資資金があるならば、利回りが高いファンドと低いファンドに分散投資することが望ましいと思います。

 上表で、「オフィスREIT」として、主に都心の一等地のオフィスビルに投資するファンドをご紹介しました。日本ビルファンドは、三井不動産が運営する看板ファンドで、ジャパンリアルエステイトは、三菱地所が運営する看板ファンドです。分配金利回りはともに約3%で、東証REITの平均分配金利回り3.94%よりも低くなっていますが、長期投資のコアとして投資するには適格と判断しています。

 不動産の利回りは、都心一等地が低く、地方にいくほど高くなります。都心のビルは、テナントが退出しても、立地が良く競争力があるので、すぐに代わりのテナントが入ります。ところが、地方都市のビルは、テナントが退出すると簡単には代わりのテナントが見つかりません。賃貸料の引き下げ圧力が働きやすくなります。そうしたリスクを織り込んで価格がつくため、地方の不動産は相対的に利回りが高くなります。利回りが高いほど魅力的とはいえません。

 物流施設、商業施設、ホテルなどに投資するREITは、約4%の利回りが出ています。これらも、分散投資で保有して魅力的と考えている銘柄です。

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