日本人は「農耕型」、欧米人は「狩猟型」?
投資家をタイプ別に分類すると、米国には「狩猟型」、日本には「農耕型」投資家が多いと言われます。アメリカ人が値動きの激しい株式投資を好むのに対し、日本人は債券など元本確保型の商品に投資して、毎年、時間の経過とともに収穫(利息)を受け取っていくことを好む傾向があるからです(もちろん個人差があり、あくまでも一般論です)。
「農耕型」投資家にとって、今の日本は、資産運用の難しい国になりました。10年国債の利回りがゼロに近づき、債券投資や預貯金ではお金を増やすことが難しくなったからです。私は、日本の個人投資家は、もっと割安な日本株に投資して良いと思っていますが、株嫌いの日本人には、株式での資産形成はなかなか広がりにくいようです。
日本の家計の金融資産は、今年の3月末で1,829兆円にも達していますが、その半分以上(52.5%)が、ほとんど金利を生まない「現金・預金」に眠っています。
家計の金融資産1,829兆円の内訳:2018年3月末時点
KDDI(9433)(予想配当利回り3.3%)・三菱商事(8058)(同3.4%)・ブリヂストン(5108)(同3.7%)・三井住友FG(8316)(同3.8%)・東京海上HD(8766)(同3.2%)など、日本を代表する大型株で、配当利回りが3%を超えているものもたくさんあるのに、株式投資を避けて、銀行にお金を眠らせておくのは、もったいないと思います。
なお上記銘柄の予想配当利回りは、今期の1株当たり年間配当金(会社予想)を、10月22日の株価で割って、算出しています。
「高い利回り」という言葉に弱い、日本人
債券好きの日本人は、どうも「利回り」という言葉に弱いようです。「高い利回りが得られる」という高リスク債券に大金を投じて、大きな損失をこうむったという話を聞くたびに、なぜ高利回りの裏にあるリスクについて考えなかったのか、不思議に思います。
高い利回りの債券に投資するならば、その裏にあるリスクが何であるか知り、そのリスクが「負う価値のあるリスク」なのか、よく考えるべきです。日本には、株のリスクに敏感な割に、リスクの高い債券のリスクに鈍感な方が多いようです。