これら主要産油国の供給状況でブルベア見方が分かれるなか、米国の原油需給動向に関心が集まるが、決め手を欠く内容にとどまった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は予想に反して減少するも、先に発表された米石油協会(API)統計ほどは減少しなかったため、市場の反応は限られた。また、ガソリン在庫も減少したものの、市場予想ほどは減少しなかったため、買いに勢いはなかった。引き続き米国の原油生産水準は高く、在庫にも余剰感がある状況に変化はないが、輸入量が落ち込んでいる点には注意が必要である。自国での供給が潤沢ゆえ、さほど輸入の必要はないとはいえ、ここ数週間は輸入量が極めて低位で推移している。ベネズエラ産の輸入の落ち込みなども考えられるが、いずれにせよ絶対量が落ち込んでいる。この減少幅に比べると在庫の取り崩しペースは遅く、それだけ供給が豊富ということにはなるが、着実に在庫減少へ影響を及ぼし始めている。今後のリファイナリーの稼働上昇、輸出量の増加見通しなどを踏まえると、在庫の取り崩しペースが速まる可能性もある。低位輸入→在庫減がクローズアップされると買い気が強まり、65ドルをブレイクする可能性を残す。

 

今週の予想

  • WTI    やや強め 62.00-67.00ドル
  • BRENT    やや強め 70.00-75.00ドル