贈与税には「非課税枠」がある

 贈与税には「非課税枠」があります。年間の贈与額のうち110万円までは税金がかかりません。なので、もし上記の2,356円でメディアドゥホールディングス株を評価するとした場合、400株の贈与を受けても2,356円×400株=94万2,400円となり110万円以内になるので贈与税はかかりません。

 もし500株の贈与を受けた場合は、2,356円×500株=117万8,000円となります。ここから110万円を差し引いた7万8,000円が贈与税の対象となります。この場合の税率は10%ですから、贈与税は7,800円と計算されます。

他に贈与がある場合は要注意!

 1つ注意したい点があります。1年の間に複数の人から贈与を受けている場合、それらを合算して贈与税を計算しなければなりません。

 例えばメディアドゥホールディングス株の例で、400株の贈与を受けた場合は94万2,400円と110万円以内に収まっているので贈与税はかかりません。しかしこれ以外に、同じ年に親から100万円の現金の贈与を受けているとしたら、合計で94万2,400円+100万円=194万2,400円となり、110万円を超えます。したがって、贈与税がかかることになります。

 他に、贈与を受けたのが現金であれば、そこから贈与税を支払うこともできますが、もし現金ではなく株式や不動産などの場合は、それらを換金するか、自分の手元金を贈与税の納税に充てなければなりません。

 社長から株をもらうのは誰だってうれしいと思いきや、もしかしたら、ちょっと複雑な心境に陥っている人がいるのかもしれませんね。

※本コラムの内容は一般的な税務の取り扱いについて記したものであり、個々の状況に応じて、これとは異なる取り扱いになる可能性もあります。最終的な判断や意思決定は、税務署や税理士に相談の上、行うことをおすすめします。