各貴金属の値動きの傾向と物質的価値の変化
各種指輪の物質的価値(筆者推計 小売価格ではない)を、過去の貴金属市場の価格変動と合わせて考えてみます。 まずは、各種貴金属の価格の推移を確認します。
図:金、銀、プラチナ、パラジウムの価格の推移(先物 月間平均)
2000年代前半、プラチナが金よりもパラジウムよりも高い状態にありました。その後、2015年ごろからプラチナの下落、金の高止まり、パラジウムの上昇が目立ち、2019年3月には先物価格の平均で、パラジウム > 金 > プラチナ という関係になりました。
以下は上述した、金24KとPt1000の物質的価値の推移です。
図:指輪(金24KとPt1000)の物質的価値の推移
1999年以降2012年ごろまで、Pt1000の物質的価値は金24Kよりも高い状態が続いていました。ほぼ同じになった後、再びPt1000が高くなりましたが、2015年ごろから、明確にPt1000が金24Kの価値を下回るようになりました。これはまさに貴金属価格の動きを映しています。
また、以下はPt1000とPt900、金24Kとホワイトゴールド18K、グリーンゴールド18Kの物質的価値の推移です。
図:指輪(Pt1000とPt900)の物質的価値の推移
図:指輪(金24Kとホワイトゴールド18K、グリーンゴールド18K)の物質的価値の推移
パラジウムを含むPt900がプラチナのみのPt1000の価格に接近しています。また、同じくパラジウムを含むホワイトゴールド18Kが徐々に金24Kに接近しています。あくまで“割がね”であるため含有量は少ないものの、パラジウム価格が上昇していることが一因にあげられます。