各貴金属の価値の変化が、各指輪の物質的価値を変える
ここまで、金、銀、プラチナ、パラジウムが、指輪にどのように用いられているのかを見てきました。ここからは、Pt900、18Kなどの指輪の物質的価値に直接的に関わる重さについて述べます。あくまでもここでは、指輪1個あたりに含まれる各種貴金属の価格をもとにした物質的価値に着目しており、デザイン費や加工費、そのた宣伝広告費、人件費などを含む指輪の小売価格とは異なります。
まずは密度を確認します。貴金属の重さは、水を1として比較する比重(ひじゅう)が用いられますが、ここでは学生時代に理科や数学の時間に習得した密度で表記します。
図:金・銀・プラチナ・パラジウムの密度 (摂氏20度の環境にて)
これらをもとに、各種指輪の重さを計算します。体積を一定にするため、先述の写真の指輪を基準にします。重さと密度、体積比から、当該指輪1個の体積は0.13653874 立方センチメートルと推計しました。
図:各種指輪の重さ
密度が高いプラチナが多く含まれれば含まれる程、指輪1個の重さが重くなります。逆に銀が含まれば含まれる程、軽くなります。
以下は、これらの重さをもとに計算した各種指輪1個あたりの物質的価値です。
図:各種指輪の物質的価値
金が多く含まれる指輪ほど1個あたりの物質的価値が高いこと、金24KとPt1000 では金24Kの方が高いこと、パラジウムを含むPt900と含まないPt1000、パラジウムを含むホワイトゴールド18Kと含まない金24K、それぞれの物質的価値に大きな差がないことなどが分かります。(2019年3月時点)