3月の売買代金ランキング(5銘柄)

1 アンジェス(4563・東証マザーズ)
 1,300円台が当面の高値とすれば、アンジェスの日足チャートは典型的なダブルトップを形状。一番天井は2月26日高値1,320円、厚生労働省の部会におけるHFG遺伝子治療薬の「条件付き承認」から始まった急騰時のピークです。そして二番天井が3月27日高値1,350円。26日に、厚生労働省から条件及び期限付き承認を受けたと発表、その翌日でした。
 ビッグニュースに湧いたアンジェスですが、この好材料もダブルトップ形成を見る限り、一旦は消化し尽くした印象。今夏にも最初の投与が始まるようですが、今後は(1)遺伝子治療薬「コラテジェン」の薬価がいくらか? (2)その場合の売上、営業利益への寄与はどの程度か? (3)業績に本格寄与するのはいつ頃か? に意識が向きそうです。

2 オンコリスバイオファーマ(4588・東証マザーズ)
 バイオ株人気が続いた3月ですが、なかでも流動性を高めたバイオ株がオンコリス。売買代金25日移動平均は、新興株全体で2位の123億円でした(2月は54.5億円)。とはいえ、複数あるバイオ株の中で、なぜオンコリスの人気が最近高いのか? これを誰かに教えて欲しいものですが…。
 3月に人気化した背景としては、一部経済紙ががん治療に関する特集記事を掲載。その中で、オンコリスのがん細胞だけ破壊する腫瘍溶解性ウイルス製剤「テロメライシン」と放射線を併用する治験に触れられていたこととの見方もあります。

3 サンバイオ(4592・東証マザーズ)
 最注目イベントは、15日の決算発表ではなく、25日の「19年1月期決算説明会」。米国フェーズ2b試験が失敗に終わった慢性期脳梗塞を対象としたSB623の開発を続けるのか? 止めるのか? 会社側の意見表明に関心が集中していました。市場の関心度が高いこともあり、25日の説明会は冒頭からこの点を説明。会社側の回答は「開発を続けます」でした。「開発継続=買い」、翌26日は買い気配で始まりましたが、その買いも続かず…。
 開発継続を市場が強いポジティブ材料にしなかった理由は、会社側からは継続への強い意思が示されたものの、業務提携先の大日本住友製薬との間で連携がとれている印象が持てなかったことが大きそう。また、2b試験が失敗した理由もまだ解析出来ていないとのことで、開発継続とはいえ、再開までには相当な時間がかかることが有力視されます。
 なお、目先の株価材料になりそうなイベントは、日本時間4月17日早朝に予定される米サンディエゴの学会。フェーズ2が成功した外傷性脳損傷のSB623についての詳細解析結果が公表されるようです。

4 窪田製薬(4596・東証マザーズ)
 バイオ株人気の地合いと、“なんだかスゴそう”材料で大相場に。3月の月間騰落率は95.9%で、値上がり率でも2位でした。“なんだかスゴそう”材料は、7日に開催された決算説明会に少し提供。この場で、窪田社長が「NASA(米航空宇宙局)と共同事業を進めている」ことを明らかに。そして18日、NASAと超小型の眼科用機器について共同開発の契約を締結したと正式発表しました。 3月高値は22日に付けた1,226円で、実に16年12月以来となる水準に。なお、この“なんだかスゴそう”材料に飛び付いたのは短期の個人投資家ばかりだったようで…25日に東証が信用規制をかけると発表。信用取引で買った投機勢は撤収売りに回りました。

5 ワークマン(7564・ジャスダック)
  “進撃のワークマン”特集を、4月2日の「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)で放送。作業服のワークマンが、そのノウハウを使ってアパレル業界に乗り込む…この成長ストーリーで株価もたしかに進撃を続けました。
 ショッピングセンター内で、新業態「ワークマンプラス」の新規出店を加速させる様子。既存店売上自体が好調を続けるワークマンですが、新業態の上乗せによる業績拡大シナリオに機関投資家も乗っかってる感じがあります。3月末に2分割し、100万円を超えていた最低投資金額が半分に。NISAの年間枠内でも余裕をもって買える株価になりました。