バンダイナムコホールディングス

1.各部門とも業績順調

 スマホゲームと家庭用ゲーム(ネットワークエンターテインメント)、トイホビー、アニメ制作や音楽ライブ(映像音楽プロデュース)などの各部門が順調に拡大しています。2019年3月期は2020年3月期に向けてトイホビー等の先行投資を見込んでいるため、会社予想は売上高7,100億円(前年比4.7%増)、営業利益750億円(同0.0%増)と利益横ばいとなっていますが、楽天証券では売上高7,100億円(同4.7%増)、営業利益800億円(同6.6%増)と予想しています。

 2020年3月期も、楽天証券では売上高7,600億円(7.0%増)、営業利益920億円(同15.0%増)と業績順調を予想します(2019年3月期、2020年3月期ともに前回予想と同じ)。

 また、家庭用ゲームでは、2019年3月期3Qに発売した「ソウルキャリバーⅥ」(2018年10月18日発売、PS4/Xbox One/PC[STEAM])、「ゴッドイーター3」(2018年12月13日発売、PS4/PC[STEAM])が各々堅調で、一定の成果が出たもようです。年明けに発売された「エースコンバット7」(2019年1月17日発売、PS4/Xbox One/PC[STEAM])、「ジャンプフォース」(2019年2月14日発売、PS4/Xbox One)の成果が期待されるところです。

 家庭用ゲームでは、パソコンゲームのダウンロードサイト「STEAM」が普及したことによって、家庭用ゲームソフト会社にとって新たな販売ルートが開拓できました。グーグルのスタディアが成功すれば、新しい販売ルートが加わることになります。

 

2.目標株価6,000円を維持する

 バンダイナムコホールディングスの魅力は、ゲームに止まらず、トイホビー、業務用ゲーム、アニメ、ライブと幅広く事業展開する総合エンタテインメント会社であることです。今後6~12カ月間での目標株価6,000円を維持します。引き続き投資妙味を感じます。

表5 バンダイナムコホールディングスの業績

株価 5,070円(2019/4/4)
発行済み株数 219,791千株
時価総額 1,114,340百万円(2019/4/4)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの

 

カプコン

1.2019年3月期3Qは28%増収、47%営業増益

 カプコンの2019年3月期3Qは、売上高179億4,300万円(前年比28.1%増)、営業利益29億5,300万円(同47.1%増)となりました。

 2018年1月発売の「モンスターハンター:ワールド」(PS4、Xbox One、PC[STEAM])のリピート販売が順調に伸び、販売本数は2018年3月期790万本に対して2019年3月期1-3Q累計(2018年4-12月期)で310万本になりました。特に新興国向けのPC版が好調でした。

 また、新興国向けにPC版旧作ソフトが売れており、収益寄与が発生しています。2018年3月期3Qの業績が低水準だったこともあり、2019年3月期3Qは大幅増収増益となりました。

 

2.2019年3月期4Qは「バイオハザード RE:2」、「デビル メイ クライ5」を発売

 2019年3月期3Q決算時点で、会社側は従来の会社予想業績、売上高960億円(前年比1.6%増)、営業利益170億円(同6.0%増)を維持しています。ただし、2019年3月期4Qは「バイオハザード RE:2」(1月発売、PS4、Xbox One、PC[STEAM])と、「デビル メイ クライ5」(3月発売、PS4、Xbox One、PC[STEAM])を発売しており、前者は約400万本、後者は約200万本と好調に売れています。「モンスターハンター:ワールド」も引き続き順調に売れているもようです。このため、2019年3月期末に中堅ソフトの仕掛品減損の可能性はありますが、会社予想業績は上乗せになる可能性があります。楽天証券では、2019年3月期を売上高1,000億円(前年比5.8%増)、営業利益180億円(同12.2%増)と予想します。

 2020年3月期は、今秋に「モンスターハンター:ワールド」の拡張コンテンツ(追加ソフトウェア)「アイスボーン」を発売する予定です。また、「モンハン:ワールド」は価格を引き下げており、一層の拡販に注力する意向です。会社側では累計2,000万本を目標にしています。「バイオハザード RE:2」「デビル メイ クライ5」のリピート販売にも期待できます。モバイルゲームとパチスロ機が低迷しているリスクはありますが、2020年3月期も堅調な業績が予想されます。

 なお、スタディアが成功すれば、旧作ソフトの販路として期待できそうです。

 今後6~12カ月間の目標株価は、楽天証券予想EPS133.0円に想定PER20倍強を当てはめ、3,000円とします。投資妙味を感じます。

表6 カプコンの業績

株価 2,479円(2019/4/4)
発行済み株数 106,751千株
時価総額 264,636百万円(2019/4/4)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの

表7 カプコン:セグメント別損益

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成

表8 デジタルコンテンツ売上高内訳

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成

本レポートに掲載した銘柄:任天堂(7974)ソニー(6758)バンダイナムコホールディングス(7832)カプコン(9697)