非資原事業の拡大で最高益更新を見込む大手総合商社に投資妙味

 資源関連株は、原油など資源価格が下がると売られ、上がると買われる傾向があります。原油先物の上昇が続けば、短期的に買われる可能性もあります。

 ただし、私は、資源ビジネスにほぼ特化しているピュアな資源株は、収益が不安定なので、評価しません。具体的には、国際石油開発帝石(1605)石油資源開発(1662)には、投資したいと思いません。

 ただし、資源ビジネスで稼ぎながら、非資源ビジネスの収益を伸ばし、最高益を更新してきている大手総合商社には、積極的に投資したいと思います。前期(2019年3月期)の連結純利益(会社予想)で、最高益更新を見込んでいる、三菱商事(8058)三井物産(8031)伊藤忠商事(8001)丸紅(8002)住友商事(8053)に、投資妙味を感じます。

 いずれもPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)が低く、予想配当利回りは4%以上で、株価バリュエーションから見て割安です。

大手総合商社5社の株価バリュエーション:2019年4月3日時点

注:PERおよび配当利回りは、2019年3月期の1株当たり利益および配当金(会社予想)を4月3日の株価で割って算出、楽天証券経済研究所が作成

 ただし、1つ注意点があります。商社ばかりに集中投資すべきではありません。「同じバスケットにすべての卵を入れるな」という投資格言があります。単一のリスクを取りすぎないよう、分散投資せよという意味です。

 大手総合商社は、魅力的な投資対象であると考えますが、世界景気敏感株で、株価のボラティリティ(変動性)が大きいことを考えると、あくまでも分散投資の一環として、保有すべきと考えます。