業績見通し

ZOZOの連結業績推移

単位:百万円
出所:会社資料
予想:楽天証券予想
注1:市場予想はアイフィスコンセンサス予想(2019年3⽉7⽇時点)
注2:2017年3月期、2018年3月期のPERは実績
注3:2019年3月期以降のPERは予想。3月22日終値の株価基準

 

 2019年3月期については、10%の営業減益となるものの、会社計画である19%減益までは落ち込まないと見込んでいます。営業減益の主な要因は、PB事業に関連した100億円以上の赤字発生です。ただ、2019年3月期4QについてはPB事業に関連したコストを抑制すると考えられることから、会社側が想定しているほどの支出にはならないでしょう。

 2020年3月期の営業利益は21%伸びる見込みです。「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の影響を受け、売上高の伸び率が低水準にとどまる見込みですがPB事業の赤字幅が縮小する可能性が高いため、利益ベースではしっかりと推移するでしょう。2018年12月から始まったZOZOARIGATOメンバーシップがどのようにユーザーに浸透するのかは不透明ですが、2020年3月期は総取扱高の6割が10%強の値引き対象になると仮定しています。同社の売上高は、「商品取扱高×同社の手数料率」であるため、同社の負担による値引き分は、売上高の減少につながります。

 なお、消費増税については警戒する必要がありますが、オンラインショッピング市場自体の需要の拡大を考慮すると、影響は比較的小さいと考えられます。競合各社が値下げクーポンやポイントを発行した場合は追随する可能性が高いですが、収益性の高い広告事業の拡大や人件費の効率化によって、コストを吸収できるとみています。

 2021年3月期は営業利益が3割強拡大すると予想しています。収益性の押し下げ要因となりうるZOZOARIGATOメンバーシップが、スタートから1年以上を経過することによって、割引負担の影響は一巡すると考えられます。さらに、同プログラムには顧客を囲い込む効果があると考えられるため(詳細は後述)、商品取扱高も堅調に推移するとみています。