景気不安、トランプリスク・・・連休前にポジション調整も

 今年のゴールデンウィークは史上初の10連休です。しかも、景気のピークアウトが確認されそうですし、日本株の先行きに慎重な声が多くなっています。確定的なことは言えませんが、米中貿易摩擦や日本への圧力、トランプ大統領のキャラクターなどを踏まえると、ダウンサイドリスクが大きいように思います。

 株価は昨年10月の記事で取り上げたようにケインズが指摘した美人投票の側面があります。流れに乗ろうとする相場師も入れば、リスク回避的に、ゴールデンウィーク前に日本株の持ち高を調整する方もいるでしょう。

 10連休まで1カ月ほどありますが、信用取引やオプション取引といったハイリスクな取引をされている方は、これまで以上に相場急変に備えたリスク管理が必要になります。

 

10連休は需要の先食い?シワ寄せはどこにくる?

 まとまった休みが取れて、旅行業界などにとっては確実にプラスになる10連休ですが、これまで述べてきたようなマイナス面もあります。そもそも所得が伸び悩んでいるので、ゴールデンウィークに旅行に出かけたら、夏休みは節約するという方も多いでしょう。10連休の好調は、需要の先食いをしているだけという可能性もあります。

 パートやアルバイト、非正規社員では営業日の減少が収入の減少に直結しかねません。事業内容によってはフリーランスも売上げが減ることになります。企業や役所に勤務している事務職では、滞っていた仕事のしわ寄せがゴールデンウィーク明けに押し寄せることになり、働き方改革とは逆行しそうです。

 今年は、祝日のパターンが変わるため、景気・経済情勢の判断が難しくなります。ゴールデンウィークや夏休み消費への影響だけではなく、まだ先のことであまり騒がれていませんが、今上天皇陛下の退位に伴い、今年の12月23日(月)は天皇誕生日の祝日ではなく平日になります。クリスマス、年末消費に影響が出るかもしれません。若干の不透明感は出て来ましたが、10月には消費税増税が予定されていますし、その前に7月には参議院選挙があります。

 新元号での日本経済は波乱含みのスタートになりそうです。