本日の注目通貨
ドル/円:FOMCは意外に強気?
火曜日(19日)のドル/円は、111.41円でオープンして東京時間に111.16円まで下落したあと、NY時間に111.47円まで反発しました。終値は111.42円。この日の値幅は0.32円。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、本日(日本時間21日午前3時)に政策金利を発表します。政策金利FF(フェデラルファンド)金利は現行水準の2.25~2.50%に据え置かれる予定。ただし広く予想されていることでサプライズではありません。
今回のポイントは「ドットチャート」です。ドットチャートとは、FOMCメンバーによるFF金利の予想で、点分布グラフで表示されることから、このように呼ばれています。このドットチャートの中心値が、今年の利上げが2回から1回に減るだろうことを示す水準まで引き下げられると予想されています。
今年1月のFOMCでは、「忍耐」がキーワードでした。声明文では利上げを示唆する文言が消えて、「政策決定(利上げ)を忍耐強く(待つ)」という文言に替わったことでドルは全面安になりました。
2月は「バランスシート縮小(量的引き締め)の終了」がキーワード。そして、今回は「ドットチャート」の引き下げで、FOMCの緩和スタンスがさらに強まることになりそうです。
現在のドットチャートは、利上げを2019年2回、2020年1回、そして2021年0回と予想しています。2019年が1回に減るならば、2020年はゼロ回(2021年は利下げ?)と連動するのが順当。ところが、2019年の利上げ予想は下がるものの、2020年の予想はそのままに据え置かれるとの見方もあります。
これがなぜ重要なかというと、FOMCメンバーが、利上げを(それも意外に早く)再開する考えを持っていることを示しているからです。米国の利上げサイクル終了をメインシナリオに考えているマーケットにとってはサプライズになるでしょう。しばらくレンジ相場が続いているドル/円ですが、急反発につながる可能性もありそうです。
豪ドル:明日の豪雇用統計は重要
豪2月雇用統計が、東京市場が休場の明日(21日)発表されます。この指標は豪ドルにとって重要。
最近の豪経済指標は弱いデータが目立ちます。住宅市場は不振、家計消費動向も伸びないなかで第4四半期の経済成長はRBA(オーストラリア準備銀行)の目標を下回りました。そのなかで唯一の希望といえるのが、堅調さを示しているのが雇用市場なのです。
ロウRBA総裁は、労働市場の強さを頼りに、今のところ利下げにはそれほど積極的ではありません。これまでの「次の動きは利上げ」から「今年は利上げしない」まで発言内容は軟化していますが、「利下げする」とまでは言っていません。
それだけに、今回の雇用統計が予想より悪ければ、RBAの利下げ(市場は今年7月と11月の予想)が早まるとの観測が強まり、豪ドルにとってはマイナス材料となるでしょう。