伊藤忠テクノソリューションズ
1.2019年3月期3Qは、3%増収、19%営業増益
伊藤忠テクノソリューションズの2019年3月期3Qは、売上収益1,078億5,900万円(前年比3.3%増)、営業利益72億9,200万円(同19.0%増)となりました。
事業グループ別売上収益を見ると、流通・エンタープライズ向け(流通と一般企業向け)が、製造業向けインフラ整備(ネットワーク整備等)の増加で前年比8.6%増となりました。ただし、それ以外の分野は小幅増加に止まりました(表7)。
一方で、不採算案件の減少、採算の低い製品比率の低下によって、営業利益は19.0%増となりました。営業利益率は前3Q5.9%から今3Q6.8%に改善しました。
受注は好調で、今3Q受注高は1,209億円(前年比29.7%増)となりました。特に情報通信向け受注が495億円(前年比58.7%増)と大幅に伸びました。大手通信会社向けの5G関連のバックボーン増強、災害対策ネットワークなどを受注しました(表6)。
また、流通・エンタープライズ向けでは製造業向けの工場ネットワーク構築、その他では海外でのデータセンター構築を受注しました。
これらの受注は、来期の業績に反映されると予想されます。
表5 伊藤忠テクノソリューションズの業績
表6 伊藤忠テクノソリューションズの事業グループ別受注高
表7 伊藤忠テクノソリューションズの事業グループ別売上収益
2.2019年3月期会社予想は5%増収、7%営業増益。来期も業績順調と予想される
2019年3月期会社予想業績は、売上収益4,500億円(前年比4.7%増)、営業利益350億円(同7.3%増)ですが、これは達成可能な範囲と思われます。
来期2020年3月期は、今期に受注した通信向け、企業向け等の大型案件が業績に寄与する見込みです。受注では、5G関連のバックボーン増強の継続、企業向け(製造業向け)の増加、公益・鉄道向けの増加が期待できそうです。楽天証券では、来期業績を売上収益4,900億円(前年比8.9%増)、営業利益400億円(同14.3%増)と予想します。
2020年の5Gサービス開始後は、バックボーンの増強だけでなく、5Gを使った応用システムの受注期待もあります。中期的な業績拡大が期待できると思われます。
3.目標株価を2,700円から3,200円に引き上げる
今後6~12カ月の目標株価を、3,200円とします。楽天証券の来期予想EPS118.6円に想定PER25~30倍を当てはめました。前回の2,700円から引き上げます。中長期での投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:ネットワンシステムズ(7518)、伊藤忠テクノソリューションズ(4739)