ネットワンシステムズ

1.2019年3月期3Qは、14%増収、82%営業増益

 ネットワンシステムズの2019年3月期3Q(2018年10-12月期)は、売上高418億3,300万円(前年比14.1%増)、営業利益28億2,300万円(同82.2%増)となりました。

 これまでの順調な受注を背景に、今1Qから売上高が継続的に10%台の伸びを示しています。今3Q売上高を見ると、パブリック(官公省など)向けクラウド構築とセキュリティ対策、通信事業者向けクラウドサービス基盤構築などが好調でした。採算の良いサービス(保守、構築)比率が上昇したことや生産性向上努力によって、売上総利益率が前3Q23.7%→今3Q24.6%へ、対売上高販管費比率が同じく19.5%→17.8%へと改善した結果、営業利益率は同4.2%→6.8%へと向上しました。これによって今3Qは大幅増益となりました。

 今3Qの受注高は、375億4,000万円(前年比4.8%減)と前年割れしたものの、高水準を維持しました。今1Qのパブリック受注高305億2,300万円のうち約100億円が今3Qからの前倒し受注ですが、今3Qのパブリック受注高102億800万円(前年比18.5%減)という水準を考慮すると今3Q受注高は高水準でした。

 また、エンタープライズ向け(一般企業向け)受注高は132億4,700万円(同12.8%増)と増加しました。エンタープライズ向けでもクラウドネットワークの構築とセキュリティの強化が活発でした。

表2 ネットワンシステムズの業績

株価 2,801円(2019/3/14)
発行済み株数 84,672千株
時価総額 237,166百万円(2019/3/14)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの

表3 ネットワンシステムズのマーケット別受注高

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:端数処理のため合計が合わない場合がある

表4 ネットワンシステムズのマーケット別売上高

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:端数処理のため合計が合わない場合がある

 

2.2019年3月期通期は若干上乗せも。来期も業績拡大へ

 2019年3月期通期の会社予想業績は、売上高1,750億円(前年比8.6%増)、営業利益120億円(同45.6%増)ですが、この場合、今4Qは2.2%減収、3.2%営業減益となります。これまでの受注と売上の勢いから見て、今4Qの減収減益は考えにくいため、楽天証券では2019年3月期を売上高1,780億円(前年比10.5%増)、営業利益125億円(同51.7%増)と予想します。

 来期も業績拡大が予想されます。引き続き官公省向け、一般企業向けのクラウドネットワーク構築、セキュリティ対策の増加が予想されます。楽天証券では、来期2020年3月期業績を、売上高1,950億円(前年比9.6%増)、営業利益160億円(同28.0%)と予想します。

 

3.目標株価を前回の3,000円から3,600円に引き上げる

 前述したように、5Gサービスが本格化すると、ネットワークに大量の情報が流れるため、バックボーンだけでなく企業や官公省のネットワークとセキュリティを増強、強化する必要が出てくると予想されます。その場合、ネットワンシステムズの好業績が継続する可能性があります。

 足元の好業績と中期的な業績拡大を考慮して、今後6~12カ月の目標株価を3,600円とします。楽天証券の2020年3月期予想EPS126.4円に想定PER25~30倍を当てはめました。前回の3,000円から引き上げます。中長期での投資妙味を感じます。