2月の売買代金ランキング(5銘柄)

1 サンバイオ(4592・東証マザーズ)

 1月29日に、突然発表された「SB623」の慢性期脳梗塞を対象とした米国フェーズ2b試験失敗。ここから4日連続でストップ安売り気配となり、ようやく全株一致したのが2月5日でした。1月29日終値11,710円に対し、2月5日の始値2,440円まで79%の大暴落。その後は値ごろ感から自律反発も起きましたが、月間では▲62%でした。

 慢性期脳梗塞を対象としたSB623の開発を続けるのか?これが会社側から示されていない段階では、判断しづらいのが現状です。同社をカバーしていた証券会社のアナリストも、開発遅延のみを織り込み目標株価を相次いで引き下げました。2月末時点では、アナリストの目標株価のレンジは3,200円~8,800円。アナリストの評価もまだバラバラ。

 

2 アンジェス(4563・東証マザーズ)

 20日、厚生労働省の部会でHGF遺伝子治療薬の製造販売を「条件付きで認める」との意見がまとまりました。このニュースはもちろん、日本の経済紙では1面トップに!製品化した場合の名称が「コラテジェン」です。

 重症の動脈硬化で足の血管がつまると、現状で主流の外科的治療では、最悪のケースで足を切断せざるを得ないといいます。これに対し、膝下に「コラテジェン」を注射で約2回投与し、新たな血管を作るというのは革新的な治療法です。まだ薬価は決まっていませんが、今夏にも最初の投与が始まるもよう。業績にどの程度寄与するのかわかりませんが、大きな期待が込められています。株価も13年8月以来となる大台1,000円超えを果たしました。

 

3 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 2カ月連続の大幅上昇で、昨年11月15日以来となる株価3,000円超えに成功。ちなみに3,000円は、昨年6月のIPO時の公開価格です。

 7日に発表した中間決算では、営業損益は36億円の赤字でした。この期間の日本における流通総額は、前年同期から710億円増加で2,280億円。流通総額の拡大で売上高は伸びる一方、先行投資による赤字は続きます。

 ただ、株式市場が買い材料視したのは決算ではなく、13日に発表したスマホ決済サービス「メルペイ」の提供開始でした。メルカリのアプリ内で得た売上金が、実際の店舗でも使えるようになります。地銀などとのメルペイ連携は広がりを示すようで、LINE株のようにキャッシュレスのテーマ性が注目されています(メルペイへの先行投資で第3四半期も赤字は拡大しそうですが・・・)。

 

4 サイバーダイン(7779・東証マザーズ)

 2月は月間では下落でしたが、月後半に好材料も。18日、厚生労働省がiPS細胞を使って脊髄損傷を治療する慶応大学の臨床研究を了承。iPS細胞を使った脊髄損傷の臨床研究は世界初だそうです。

 同社と慶応大は、「脊髄再生医療とHAL(ロボットスーツ)の複合療法」で共同研究を続けてきた関係があります。このニュースに対し、大手証券のアナリストも「HALとiPS細胞移植の複合療法の検討へ向けた道が一歩進んだ」とポジティブな見方を示しています。

 

5 ALBERT(3906・東証マザーズ)

 昨年の大人気銘柄ですが、今年はマザーズ全体が復調するなかでも上値が重い銘柄です。価格帯別出来高を見ると、18年1月以降で出来高が突出するのが株価「10,000円~11,000円」のゾーン。戻り売り圧力が強いということでしょう。

 なお、15日に発表した前18年12月期決算は、売上高が87%増の16.3億円、営業損益は2.0億円の黒字(前期は1.6億円の赤字)でした。今19年12月期見通しも、売上高は前期比47%増の24億円、営業利益は同79%増の3.6億円と大幅増収増益。ビッグデータ分析の受注好調を背景に、業績拡大を期待できるマザーズ銘柄ではあると思います(業績面の裏付けがない状態で、時価総額で同社の約5倍になっている類似銘柄もあるだけに)。