バンダイナムコホールディングス

1.2019年3月期3Qは11%増収、40%営業増益

 バンダイナムコホールディングスの2019年3月期3Qは、売上高1,940億9,800万円(前年比11.3%増)、営業利益259億2,000万円(同40.0%増)となりました。

 セグメント別に見ると、トイホビーの今3Qは売上高716億4,200万円(前年比8.2%増)、営業利益92億5,700万円(同19.8%増)となりました。ハイターゲット(20歳代以上の高年齢層)向けを強化したことで好業績となりました。国内は、ガンダムのような定番商品とハイターゲット向け、アジアは中国でウルトラマンが好調なほか、コレクターズフィギュアが売れました。また、北米ではハイターゲット向けの専門販売会社を立ち上げました。今後が期待されます。

 各セグメントの中で営業利益が最も大きいネットワークエンターテインメントは、売上高839億500万円(前年比8.8%増)、営業利益119億6,900万円(同37.4%増)と好業績でした。劇場アニメ「ドラゴンボール超ブロリー」の大ヒットによってスマホゲーム「ドラゴンボールZドッカンバトル」「ドラゴンボールレジェンズ」の2作が順調でした。家庭用ゲームでは、「ソウルキャリバーⅥ」(2018年10月18日発売、PS4/Xbox One/PC[STEAM])、「ゴッドイーター3」(2018年12月13日発売、PS4/PC[STEAM])が各々堅調でした。

 リアルエンターテインメント(業務用ゲーム機とアミューズメント施設)は、売上高290億5,600万円(前年比38.0%増)、営業利益21億円(前年同期は4億5,300万円の赤字)となりました。業務用ゲーム機「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」が好調でした。AM施設では新業態の店舗が伸びました。

 映像音楽プロデュースは、売上高110億7,600万円(前年比12.1%増)、営業利益25億100万円(同32.0%増)となりました。「ラブライブ!サンシャイン!!」「アイドルマスター」シリーズの映像、音楽ソフトが好調でした。また、昨年11月に開催された「ラブライブ!サンシャイン!!」の声優ユニット「Aqours(アクア)」の東京ドーム公演とライブビューイングが2日間で15万人を動員し、チケット、グッズ販売が好調でした。

 IPクリエイションは、売上高55億300万円(前年比2.7%減)、営業利益10億4,800万円(同30.3%減)となりました。「機動戦士ガンダム」「アイドルマスター」のテレビ放映がありましたが、新作品の製作等で減益となりました。

表6 バンダイナムコホールディングスの業績

株価 4,505円(2019/2/7)
発行済み株数 219,791千株
時価総額 990,158百万円(2019/2/7)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの

表7 バンダイナムコホールディングスのセグメント別業績(四半期ベース)

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:2018年3月期からセグメント分けが変更されたため、2017年3月期以前のセグメントとは接続しない

表8 バンダイナムコホールディングスのセグメント別業績(通期ベース)

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
注:2018年3月期からセグメント分けが変更されたため、2017年3月期以前のセグメントとは接続しない

 

2.会社側は2019年3月期業績予想を上方修正

 今3Qまでの実績を見て、会社側は2019年3月期業績予想を上方修正しました。前回予想の売上高6,500億円(前年比4.2%減)、営業利益600億円(同20.0%減)が、売上高7,100億円(同4.7%増)、営業利益750億円(同0.0%増)に上方修正されました。

 この予想では、今4Q(2019年1-3月期)が売上高1,812億3,700万円(同7.1%減)、営業利益51億4,500万円(76.1%減)と減収減益になります。これは前4Qに家庭用ゲームが好調だったためその反動が予想されること、トイホビーで2020年3月期に向けた新規IP(知的財産、キャラクター)の仕込みや「機動戦士ガンダム」40周年に向けた準備を行うため費用が先行すること、トイホビーの在庫処分損も見込まれること、家庭用ゲームで年明け発売の「エースコンバット7」(2019年1月17日発売、PS4/Xbox One/PC[STEAM])、「ジャンプフォース」(2019年2月14日発売、PS4/Xbox One)の広告費負担などが見込まれることによります。

 ただし、今3Qまでの業績トレンドを考えると、会社側の予想は保守的と思われるため、楽天証券では2019年3月期を売上高7,100億円(前年比4.7%増)、営業利益800億円(同6.6%増)と予想します。

 

3.2019年は「機動戦士ガンダム」40周年、新規IPも

 前述したように、会社側では2019年の「機動戦士ガンダム」40周年に向けた準備を進めています。様々な企画によってガンダム関連商品や映像ソフトの需要喚起が予想されます。

 また、詳細は不明ですが、2020年3月期はトイホビーで新規IPが予想されます。トイホビーでは、今期に続きハイターゲット向けの好調も予想されます。

 ネットワークエンターテインメントでは、引き続きスマホゲーム「ドラゴンボールZドッカンバトル」「ワンピース トレジャークルーズ」「アイドルマスターシリーズ」がけん引すると思われます。また、今下期発売の家庭用ゲーム「ソウルキャリバーⅥ」「ゴッドイーター3」「エースコンバット7」「ジャンプフォース」のリピートがどの程度あるかも焦点になります。

 これらの動きから、楽天証券では2020年3月期業績を売上高7,600億円(前年比7.0%増)、営業利益920億円(同15.0%増)と予想します。今後6~12カ月間の目標株価は2020年3月期楽天証券予想EPS300.7円にPER20倍を当てはめ6,000円とします(前回目標株価を維持します)。引き続き投資妙味を感じます。

表9 バンダイナムコIP別売上高(グループ全体)

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成

 

本レポートに掲載した銘柄:任天堂(7974)バンダイナムコホールディングス(7832)

今中 能夫
楽天証券経済研究所