本日の注目通貨

ドル/円:110円また失敗

 金曜日(25日)のドル/円は、欧米の株式市場の上昇に連れてNY時間に一時109.95円まで上昇しましたが、またも110円を目前に足踏み。米政府機関再開のニュースにも反応は鈍く、逆に売り込まれて109.45円まで下落、この日の安値をつけました。(チャート1)

 米政府機関閉鎖の解除は2月15日までの一時的な措置で、それまでにメキシコの壁建設の予算で進展がなければ、非常事態の宣言も辞さないとトランプ大統領は警告しています。3週間後に再閉鎖もあるわけですが、この問題が解決しても次は債務上限問題という大きな問題が控えています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ポンド/円:離脱協定案可決の期待で大幅上昇

 金曜日のポンドは大幅上昇。ノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)という最悪のシナリオが回避される可能性が強まっていることが理由。ポンド/円は143円から上昇を続け、NY時間には約1カ月半ぶりの高値となる144.84円をつけました。(チャート2)

 英議会は今週、EU(欧州連合)離脱協定案の修正案を採決しますが、メイ政権に閣外協力する民主統一党(DUP)が、メイ首相の離脱案の支持に回ったとのニュースが伝わり、可決する期待が高まっています。

 マーケットでは、3月末に迎えるブレグジット期限の延長を期待する声が高まっています。先週はこれが理由でポンドが買われる場面がありました。しかし、ブレグジット期限日の延長案については、必ずしも英議員の全員が歓迎しているわけではなく、場合によっては早期離脱を求める強硬派と穏健派が対立して英保守党が内部分裂するというリスクをはらんでいるわけで、メイ首相も簡単に延長を選択できない事情があるのです。そもそもEU側が延期をOKするのかも不明です。したがって、EUと離脱条件をまとめて予定通り3月末に離脱というのが、現段階におけるブレグジットの混乱収拾のための最良シナリオということになるでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成