では、その米国株市場の状況も見てみたいと思います。下の図3は、NYダウの日足チャートとMACDです。

■(図3)NYダウ(日足)とMACDの動き(2019年1月18日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 直近のNYダウの日足チャートを見ると、陽線がズラリと並んでいて、順調に戻り基調を描いていることが分かりますが、チャートを少し過去にさかのぼってみると、75日移動平均線が戻り高値のめどとなっています。株価水準的にはこの75日線を超えることができるかが焦点になりますが、本格化した企業決算シーズンの動向がその行方を左右しそうです。

 また、下のMACDに注目すると、「0ドル」ラインも戻り高値のめどとなっていたことが分かります。MACDは「短期と中期の(平滑)移動平均線の差」を表していますので、0ドルラインを上方向に超えるということは短期線が中期線を上抜けることを意味します。NYダウのMACDは既に0ドルラインを上抜けて来ましたが、この勢いが続くのかも注目ですし、ここ最近まで上昇基調だったこともあり、上昇一服の「そろそろ感」には配慮しておく必要があります。

 そして、最後に日本株に話を戻して週足チャートの日経平均も見ていきます。

■(図4)日経平均(週足)とMACDの動き(2019年1月18日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 週足ベースの日経平均でMACDを見ると、線の傾きがようやく下向きから反転し始めましたが、水準的には先週末時点でマイナス953円と「0円ライン」までかなりの低位置にあります。その一方でMACDとシグナルのクロスが視野に入っていますので、中期的にも戻り局面に入りそうな状況です。また、先物取引市場では、週末の日経225先物取引が大証で2万920円、CMEが2万930円で取引を終えており、節目の2万1,000円超えも現実味を帯びています。

 こうして見ると、日経平均の「伸びしろ」の大きさに期待が持てそうな印象ですし、しばらく戻り局面が続きそうというのがメインシナリオになります。とはいえ、米国株次第では伸び悩んでしまう可能性があるため、「とりあえず上方向の流れに乗ってみて、ムードが怪しくなったら早めに手仕舞い、再度の戻りを狙う」ぐらいのスタンスが良いのかもしれません。売られ過ぎの反動や不安後退だけでなく、企業業績の再評価が株価上昇にプラスオンできるかが今週のポイントになりそうです。