こうしたローソク足の配列パターンは上昇トレンドの最中によく見られ、有名なものとして「上げ三法(あげさんぽう)」という買いサインがあります。具体的に下の図2のような形です。

■(図2)「上げ三法」の形

 

 上げ三法では真ん中の陰線が3本続くのがセオリーですが、先週の日経平均の値動きは陰線が2本しかないものの、見た目の形状としては上げ三法っぽい格好になっているほか、週末の陽線が25日移動平均線を上抜けていることからも、形としては上方向への意識が感じられると言えそうです。

 また、週を通して見ると、先週の日本株の上昇の背景には、為替市場が落ち着きを見せていたことをはじめ、中国の景気対策への期待や米中摩擦への不安後退、米金融機関の決算を好感して米国株市場が連騰していたことなどが挙げられます。

 ただし、週初15日の取引は、前日14日発表の中国貿易統計(2018年12月分)が市場予想に反して前年同月の実績を下回ったことでマイナススタートだったことや、週末18日の取引についても、前日に発表された日本電産の業績見通し下方修正を受けて警戒ムードで迎えていたことは認識しておく必要があります。

 結果的に両日とも株価が上昇して大きな陽線となったものの、取引開始前はどちらかと言えば軟調な相場見通しが強かったわけです。そのため、実際のところは先週の値動きに乗って利益を狙うことはかなり難しかったのかもしれません。「相場は不安の崖を駆け登る」という相場格言があるものの、都合の良い解釈の側面も否めないところがあり、結局は米国株市場が上昇に連れ高しただけと考えることもできます。