アミューズ

1)音楽に強い芸能プロダクション

 アミューズは芸能プロダクションの大手です。音楽に強い芸能プロダクションとして知られています。「福山雅治」「サザンオールスターズ」「星野源」「ONE OK ROCK」「BABYMETAL」「Perfume」「SEKAI NO OWARI」など著名アーティストが多数所属しており(「SEKAI NO OWARI」は連結子会社TOKYO FANTASYに所属)、これらアーティストのライブ興業権を保有、ライブによる収益とCD販売や音楽配信からの印税などを受取るビジネスモデルです。

 ライブブームの中ですが、業績には波があり、「福山雅治」「サザンオールスターズ」「ONE OK ROCK」などの大型ツアーが重なった2016年3月期に過去最高業績を達成した後、2018年3月期まで減益が続きました。

表4 アミューズの業績

株価 2,370円(2019/1/17)
発行済み株数 17,293千株
時価総額 40,984百万円(2019/1/17)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:発行済み株数は自己株式を除いたもの
注2:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益

 

2)今期、来期と増益が期待できる

 今上期は売上高241億7,800万円(前年比23.9%増)、営業利益17億8,000万円(同37.8%増)と好調でした。今1Qに大型ライブが集中し、「福山雅治」「ONE OK ROCK」のドームツアー、「SEKA NO OWARI」の野外ツアーなどで上期に合計約100万人の動員がありました。今下期も「福山雅治」「Perfume」のほか、「星野源」の大型ツアーが今4Qに予定されているため、今上期並みの100万人の動員が可能と予想されます(2018年3月期は175万人の動員)。

 また、2018年6月に結成40周年を迎えた「サザンオールスターズ」が、2019年3~6月に全国ツアーを開催します(これが実質的な40周年ツアーになります)。

 このような大型ツアーに伴い、ライブからの収入だけでなくファンクラブ収入も好調で、今期の増益要因になっています。音楽配信では旧譜の売れ行きが好調です。貸倒引当金の減少もあり、今期会社予想は、売上高485億円(前年比2.6%増)、営業利益38億円(同13.7%増)と増益転換する見通しになっています。また、「サザンオールスターズ」の3月からのライブはこの業績予想に織り込まれていないため、やや上乗せになると予想されます。

 なお、浅草に所有する土地、建物を売却したため、約17億円の売却益が今2Qの特別利益に計上されました。

 来期2020年3月期は、「サザンオールスターズ」の全国ツアーのほか、2月に発売予定の「ONE OK ROCK」ニューアルバムに伴う全国ツアーや、「SEKAI NO OWARI」などに期待できます。

 また、日本でもサブスクリプション(月額定額制で聞き流し型の音楽配信)による音楽配信が盛んになっており、アミューズの所属アーティストでも「福山雅治」のように楽曲をSpotifyやAWAなどのサブスクリプションサービスに提供する大物アーティストが出てきました。これに伴う印税収入増加も期待できます。

 このため、楽天証券では2020年3月期業績を、売上高510億円(前年比4.5%増)、営業利益46億円(同17.9%増)と予想します。

 新分野では、2018年12月に世界最大規模のeスポーツチーム「チームリキッド」と戦略的パートナーシップ契約を結びました。まず、同チーム所属の日本人選手2名の日本におけるマネジメント業務を行います。

 今後6~12カ月間の目標株価は、2020年3月期楽天証券予想EPS161.9円に想定PER15~20倍を当てはめ、3,000円とします。投資妙味を感じます。

 

本レポートに掲載した銘柄:GameWith(6552)アルファポリス(9467)アミューズ(4301)