(指標)日経平均

 今週、週前半は2万1,062円まで下げて、その後ファーウェイ副会長保釈のニュースをきっかけに2日連続の大幅反発となって12月13日(木)には2万1,871円まで上昇しました。しかし週末の12月14日(金)には大幅上昇の反動からの利益確定売りと時間外での米株価先物の大幅下落を嫌気し▲441円の2万1,374円で引けました。

 今週も米中貿易摩擦の行方や海外政治の動きに左右される状況が続くと思われる中で、18~19日にFOMCが開催されます。12月利上げは織り込み済みとみられますが、19日のパウエルFRB議長会見での来期の経済見通しがポイントとなります。ここで米国の利上げ見通しが後退すれば、日米金利差縮小からドル安・円高の流れとなり日本経済にとっては重荷となるからです。

 今週はチャート的には12月11日の2万1,062円を守れるかどうかとなります。2万1,000~2万1,500円のレンジで2万1,500円水準でもみ合って戻りを試せば、12月13日の2万1,871円が上値ポイントとなります。

 

 (指標)NYダウ

 今週は週前半もみ合った後、中盤にはファーウェイ副会長の保釈や中国の産業政策の修正を受けて、米中貿易摩擦がやや後退し、NYダウは2日連続の反発。しかし、それも一時的で週末の12月14日(金)は前日のアジア株安、欧州株安の流れを受け、NY株式は全面安となりました。NYダウは5月3日以来7カ月ぶりの水準の▲496ドルの2万4,100ドルとなり、10月3日の史上最高値2万6,951ドルからの下落率は約10.5%となりました。

 チャートを見て分かるように、下値を切り上げ直角三角形(C)の保ち合いを下放れし、同時に10月29日の2万4,122ドル、12月7日の2万4,284ドルと2点底となっていたところを下に切りましたので、本格的な調整入りを示しています。次の下値ポイントは4月2日の2万3,344ドルですが、ここを切るとトランプ相場のいったんの終わりとなります。当面は、24,000ドルをはさんだもみ合いが想定され、その後2万4,000~2万6,000ドルの大きなボックス相場となる可能性があります。

 今週は、値動きが激しい可能性があります。18~19日にFOMCが予定されており、現時点では利上げの可能性が高いものの、足元の長期金利の低下などを受けて見送られるとの見方も一部に出ており、混乱する可能性があります。また、年末のため節税目的での含み損の確定が増える一方で、「1月効果」という12月から1月にかけて株価の上昇が統計的に高くなることが知られていますので、買いも入る可能性があります。ただし、チャートの形は悪くなっていますので、2万3,500ドル水準を下値にもみ合う展開が考えられます。

 

 (指標)ドル/円

 今週の週始めは、日経平均や上海株式の大幅下落を嫌気したリスク回避の円買いで1ドル=112.24円までの円高。しかし、その後はファーウェイの副会長の保釈が決定されたことで、米中貿易摩擦懸念が後退し円高が一服しました。週末の12月14日(金)は米国株式の大幅安を受けて、再びリスク回避的な円買いとなり、113.22円まで下落し113.39円でドル/円は引けました。

 今週は、112.5~114.5円のレンジでのもみ合いが想定されます。18~19日にFRBはFOMCで今年4回目の政策金利引き上げに踏み切る見込みですが、そうなると追加利上げの織り込みが進むとみられます。しかし、その後の利上げ継続期待が低下した場合、ドル買いは縮小する可能性もあります。2020年までの利上げシナリオが引き締めのペースを緩めるとの思惑が広がっており、ドル買いはやや後退する可能性があります。