米国のストラテジストは株式に強気を維持?
それでは、米国株式の専門家(投資銀行などのストラテジスト)の多くは2019年相場をどう予想しているのでしょうか。
図表3は、各ストラテジストによる(1)S&P500指数の2019年末の予想値、(2)現水準からの回復余地(上値余地)、(3)その前提となっている業績見通し(S&P500指数ベースの2019年予想EPS)、(4)2019年の予想増減益率を示したものです[(1)の降順で表示/12月初時点)]。専門家予想を平均して言えることは、「ストラテジストの多くが2019年にS&P500指数が現水準より上昇すると見込んでいる」ことです。
S&P500指数は2019年に過去最高値(2018年9月20日の2,930.75)を上回り、3,000に達すると見込んでいます。その理由として、業績の増益維持と予想PERの回復が挙げられます。
EPSの増益は、収益拡大に加え、企業の自社株買い(発行済株数の減少)の寄与が予想されています。2018年に株式を売り込んだファンド筋が抱えるキャッシュ(現金)は増えており、新年の株式買い戻しの原資になるとの見方もあります。米国経済が景気後退に陥ることがなければ、企業業績の伸びがプラスを維持し、貿易戦争を巡る不安が和らぐことで市場心理が改善すれば、PERも回復するとの見方に基づいています。米国株が本格回復に転ずるなら、外国人投資家のリスクオン(選好)姿勢が復活し、日本株の戻りも下支えされると期待できます。
図表3:専門家による2019年の米国株価見通し
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