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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。11月の『街角景気』は、足元の景況感を示す現状判断指数(DI)が、2カ月連続で改善しました。景気の先行きを示す先行き判断DIは全項目が上昇して3カ月ぶりに改善しました。
【ポイント1】現状判断DIは前月比+1.5ポイントと2カ月連続改善
先行き判断DIは3カ月ぶりに改善
11月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比+1.5ポイントの51.0と、2カ月連続で改善し、11カ月ぶりに景気判断の節目となる“50”を上回りました。項目別にみると家計動向、企業動向、雇用の3項目全てで改善しました。自然災害の影響が和らぎ、家計動向関連ではサービス、住宅などで顕著な改善がみられました。企業動向関連は製造業の上昇から改善しました。
先行き判断DIは52.2と、前月から+1.6ポイントとなり、3カ月ぶりに改善しました。項目別にみると、家計動向、企業動向、雇用の全てで改善しました。
【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析
景気にポジティブなコメントが増加
街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの現状判断に関するコメントからは、ネガティブな単語の使用比率が大きく低下しました。一方で、ポジティブな単語の使用比率が大きく増加しており、景気スタンスも改善しています。
「地震」、「災害」、「豪雨」などの単語の使用数が減少し、自然災害による景況感の下押しが和らいだとみられます。また「ガソリン」、「高騰」などの単語の使用数も減っており原油価格の落ち着きが景況感を改善させる一因となっています。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後に ある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】『街角景気』は改善基調も米中交渉や、株価の動向などに注目
内閣府は景気ウォッチャー調査の基調判断を「緩やかに回復している」として、前月の「緩やかな回復基調が続いている」から引き上げました。『街角景気』は7月から9月の天候要因や自然災害の影響は和らいできました。ただし12月に入り米中貿易摩擦激化懸念などから、世界的に株価が下落しており、その動向を注視していくことが必要とみられます。