WTI原油先物が急落、イラン産原油禁輸の「適用除外」に日本含む8カ国指定で

 *WTI原油先物(期近)は、10月3日に1バレル76.41ドルまで上昇し、今年の高値をつけました。米国がイランへの石油関連の制裁を開始する11月4日が近づくにつれ、イラン産原油の供給減少懸念から、投機筋の買いが続いていました。トランプ米大統領がイラン産原油の禁輸に違反する企業に重い制裁を課すことを示唆していたため、供給不足懸念が強まっていました。

*WTIとは…West Texas Intermediateの略。米国テキサス州・ニューメキシコ州を中心に産出される、硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油で、原油価格の代表的な指標のひとつ。WTI原油先物は、取引量と市場参加者が非常に多いため、原油価格の指標と世界経済の重要な指標となっている。

 

WTI原油先物(期近)の動き:2018年1月2日~12月3日

 ところが実際に11月になると、米国は、イラン産原油禁輸の「適用除外」に、日本を含む8カ国・地域を指定しました。この発表を受けて原油は急落しました。それに加え中国景気減速で中国需要が減速する思惑も出て、原油の下げ材料となりました。また、米シェールオイルの増産が続き、米国の石油在庫が増加してきたことも、売り材料となりました。米シェールオイルは技術革新によって年々生産コストが低下してきました。原油価格上昇で、再び増産が続いてきました。