ポートフォリオで1%程度の保有が適切と考える

 日産株の、現時点での私の投資判断は「ややオーバーウエイト」です。先行きに対する悲観で売り込まれた日産株は、中長期的な投資価値から見て割安と考えられるので、一定の投資ポジションを持ちたいと思います。ただし今後、日産に起こることについて「最悪シナリオ」を想定すると株価が一段と下がる可能性も残り、投資リスクは高いと考えます。

 リスクと期待リターンを両方とも勘案した上での投資判断が「ややオーバーウエイト」です。オーバーウエイトとは、機関投資家が使う投資判断です。「東証株価指数の構成比(0.7%)を少しだけ上回る組入比率にする」という判断です。1%くらい組み入れるイメージです。

 私がかつて運用していた投資信託は時価総額が約600億円でした。そのファンドで言えば、600億円×1%=6億円、日産株を保有するのが「ややオーバーウエイト」です。

 個人投資家は投資資金が限られているので「1%だけ組み入れる」ことが簡単にできません。総額1,000万円の日本株ポートフォリオで、100株(26日終値で9万7,840円)保有して、組入比率は1%です。それだけのまとまった資金をお持ちの方は少ないと思います。仮に、日本株の保有が全部で100万円だとすると、100株保有するだけで、日産の保有比率は約10%となってしまいます。最低単位保有するだけで、どうしても「かなりオーバーウエイト」となってしまいます。それでも保有するならば、割り切って「かなりオーバーウエイト」で保有するしかありません。

 100万円の日本株ポートフォリオをお持ちとして、日産自動車などの景気敏感株の保有を30万~40万円に抑え、景気の影響を受けにくいディフェンシブ株の保有を60万~70万円とすれば、ポートフォリオ全体ではリスクを取りすぎているとは言えません。ポートフォリオ全体でリスク管理しながら、日産を保有する選択肢もあります。

 それでは次に、日産がこれからどうなるか、改めて考えます。