世界株安の波に飲まれ、日経平均急落!
先週の日経平均株価は、1週間で1,347円下落し2万1,184円となりました。日経平均は、10月2日に2万4,270円の年初来高値をつけましたが、その後24日間で3,086円(13%)も下げたことになります。
日経平均週足:2017年10月2日~2018年10月26日
急落を引き起こした要因は、以下【1】~【3】と考えています。
【1】米長期金利が3.2%台まで上昇。NYダウが急落
世界的な株安を受けて、米長期(10年)金利は、10月26日時点で、3.075%まで下がっていますが、依然として高い水準にあります。
私は、3%という長期金利の水準自体が高過ぎるとは考えていませんが、前のめりに利上げを進める米FRB(連邦準備制度理事会)の姿勢に不安を感じています。世界株安を受けてFRBの金融政策のスタンスが今後どう変化するか、注目されます。
米長期(10年)金利の動き:2017年12月末~2018年10月26日
【2】上海総合株価指数が下げ止まらず。中国景気悪化の不安強まる
米中貿易戦争の影響で、中国の民間設備投資にブレーキがかかっている可能性があります。中国国家統計局が発表した7~9月のGDP(国内総生産)は前年比6.5%の成長でしたが、中国の経済統計は信頼性が高くありません。実態はもっと悪化している可能性があります。
米ナスダック総合株価指数・NYダウ・日経平均・上海総合株価指数の動き比較:2017年12月末~2018年10月26日
【3】日本企業の9月中間決算発表が思ったほど良くない
まだ始まったばかりで全体像はつかめていませんが、出だしの印象として、市場の期待よりやや弱いと感じています。
中国景気減速の影響が、日本の企業業績にも表れてきています。日本工作機械工業会が発表した9月の工作機械受注は、前年同月比+2.9%でしたが、中国向けは▲22%と、大きく落ち込みました。また25日に、日本ロボット工業会が発表した7~9月の産業用ロボット出荷額は、前年同期比▲5%と9四半期ぶりにマイナスとなりました。中国向け輸出が2割近く減ったのが響いたためです。日本の中国関連・設備投資関連株の業績に、逆風が吹き始めています。