知っている人は知っている、ひそかな人気の「貸株サービス」。でも税金の取り扱いはどうなっているのか、ご存知ですか?

 

貸株サービスってなに?

 皆さんは、「貸株サービス」という制度をご存知ですか。簡単に言えば、ご自身で保有している株式を証券会社にレンタルするものです。

 そして、レンタルの対価として、証券会社から貸株金利を受け取ることができます。例えば楽天証券の場合、最低でも年0.1%の金利を受け取ることができ、1%以上の金利を受け取れる銘柄も570にのぼります(2018年9月10日時点)。

 中には、下記のように10%を超える金利となっている銘柄もあります。(ただし、金利は随時変動しますので、現時点での金利が保証されているわけではありません。)
楽天証券の貸株サービス

コード 銘柄名 貸株金利
3993 PKSHATECHNOLOGY 14.00%
3689 イグニス 12.00%
3914 JIG-SAW 10.00%
2438 アスカネット 9.00%
3900 クラウドワークス 8.00%
2351 ASJ 8.00%
4918 アイビー化粧品 8.00%
3782 ディー・ディー・エス 7.00%
6172 メタップス 7.00%
6955 FDK 7.00%

2018/9/10 時点
2018/9/17 適用分

 

貸株金利の税金はどうなっている?

 受け取った貸株金利については、課税の対象となります。通常、株式投資においては売却益は「譲渡所得」、配当金は「配当所得」という分類です。では、貸株金利はどの分類になるのでしょうか?

 正解は、「雑所得」です。株式投資に関連する所得ではありますが、あくまでも証券会社に対する株のレンタル料なので、このような取り扱いになります。

 雑所得は、給与所得、事業所得、不動産所得などといった他の所得と合算し、総合課税となります。譲渡所得や配当所得(源泉徴収のみで課税完了の場合)は税率が20.315%ですが、総合課税となると所得が大きい人では最大で55.945%にもなります。

 せっかく高い金利を受け取っても、所得が多い人は税率がかなり高くなってしまう点には注意が必要ですね。

 この貸株金利、特定口座、一般口座のいずれにて保有している株に関するものであるかにかかわらず、ご自身で計算して確定申告をする必要があります。源泉徴収ありの特定口座だから証券会社が全て計算してくれる、とはなりませんのでご注意ください。

 なお、会社員の方で給与以外の所得が20万円以下、かつ確定申告をしない場合は所得税は課税されないこととなっています。(住民税は課税対象です。)

 

貸株をしていると受け取れる「配当金相当額」とは?

 もう1つ、貸株をしていると受け取れるものがあります。それが「配当金相当額」です。
配当金ではなく配当金「相当額」ですので間違えないでください。

 なぜ配当金ではないのか、それは株を貸している間はその株の所有権は証券会社に移転しているからです。源泉徴収された配当金を証券会社が受け取り、それを私たちが証券会社から受け取るという仕組みになっています。

 配当金相当額は、配当金から15.315%(源泉徴収のうち所得税分)を差し引いた金額と同額が支払われます。

 

「配当金相当額」の税金の扱いは「配当金」の税金とは異なる

 実はこの配当金相当額、配当金の税金とは扱いが異なります。

 配当金の場合、「配当所得」となり、20.315%の源泉徴収のみで課税を完了させることができます。譲渡所得(売却益)と相殺して損益通算することもできますし、所得が少ない方の場合は確定申告をして還付を受けることも可能です。

 ところが配当金相当額は配当所得とはならず、「雑所得」となります。そのため貸株金利と同様、他の所得が多い方の場合は最大で50%超の税率となってしまうこともあります。さらに、株式の譲渡損との相殺や、繰り越した損失との損益通算をすることもできません。

 貸株金利と同様、配当金相当額も、一般口座、特定口座のいずれの場合でもご自身で金額を計算し、原則として確定申告をする必要があります。

 この配当金相当額の税制上の取り扱いが貸株サービスの最大のネックポイントです。別の回にて、具体的な計算例を交えてどのようなデメリットが存在するのか、そしてそれを回避するための方法についてご紹介したいと思います。