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アマゾン、GM、BMW…米国で注目の「サブスクリプション・モデル」のメリット・デメリットを解説!
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

アマゾン、GM、BMW…米国で注目の「サブスクリプション・モデル」のメリット・デメリットを解説!

2018/9/12
・米国で注目の「サブスクリプション・モデル」とは?
・ビジネスの世界でもサブスクリプションが大流行
・非ネット企業にも広がるサブスクリプションの試み
・サブスクリプション・モデルのメリット・デメリット
・投資目線で見るサブスクリプション・モデル
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米国で注目の「サブスクリプション・モデル」とは?

 サブスクリプション(subscription)とは、そもそも「定期購読」という意味で、新聞の定期購読などがサブスクリプションにあたりますが、ここでいう「サブスクリプション」は、ソフトウェアの利用形態の一つです。

 ビジネスでソフトウェアを導入するときは、一般にそのソフトウェアの使用権限を購入する必要があります。導入時に代金を支払えば、そのソフトを更新なしで継続使用することができるため、初期費用は大きいものの、維持費を抑えることができます。

 一方、購入するのではなく、1カ月または1年など使用期限を決めてソフトウェアを借りる契約を取り交わします。使用の必要がなくなった場合、契約を解除すればその時点で費用はかからなくなります。この課金方式のビジネスをサブスクリプション・モデルと呼びます。またそれら全体の流行を捉えてサブスクリプション・エコノミーと形容する場合もあります。

 現在米国では「サブスクリプション・モデル」のビジネスが大流行しています。例えば、ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)を利用すればDVDを購入する代わりにインターネットを通じてテレビドラマや映画をストリーミングで視聴することができます。

 音楽のストリーミングであるスポティファイ(ティッカーシンボル:SPOT)でや、クラウドを通じてデータを保存するドロップボックス(ティッカーシンボル:DBX)も「サブスクリプション型」ビジネスのポピュラーな例です。

 サブスクリプション・モデルでは、モノを所有するのではなく、必要なとき必要なだけアクセスする権利を定期購読します。コンテンツを売る側も、従来の「商品」という発想から、「サービス」という発想となります。

 最近の若者はモノを買い込むことを嫌い、むしろ体験におカネを払いたがると言いますが、サブスクリプション・モデルは、そういう世代にうってつけの商売の仕方と言えるでしょう。

ビジネスの世界でもサブスクリプションが大流行

 サブスクリプションは上記の消費者向けサービスにとどまりません。ビジネス向けのソフトウェアなどでもサブスクリプションは大流行しています。

 たとえばCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフトの企業、セールスフォース(ティッカーシンボル:CRM)はサブスクリプション・モデルを採用した草分け的企業ですし、人事ソフトのワークデイ(ティッカーシンボル:WDAY)、クリエイター向けの各種ソフトウェアを提供しているアドビ・システムズ(ティッカーシンボル:ADBE)、CAD/CAMやゲームを創作するソフトウェアを提供しているオートデスク(ティッカーシンボル:ADSK)などはいずれもサブスクリプション・モデルを採用しています。

 さらにインターネットのインフラストラクチャをサービスとして提供しているAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)のアジュールなどもサブスクリプション・モデルと言えます。

 それらに加え最近では、サブスクリプション・モデルを武器とした新手のサービスを展開する企業が、続々と登場しています。ソフトウェア・エンジニアたちがコラボする際のツールを提供しているアトラシアン(ティッカーシンボル:TEAM)、企業向けアイデンティティー管理ツールを提供しているオクタ(ティッカーシンボル:OKTA)、電子署名ソリューションを提供しているドキュサイン(ティッカーシンボル:DOCU)などはいずれもサブスクリプション企業です。

 市場調査会社ガートナーの調査によるとこれらのSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業は過去4年間年率+25%で成長していることこが分かっています。

 また調査会社IDCは2021年までにSaaSのサブスクリプション売上高は1,590億ドルに達すると試算しています。

非ネット企業にも広がるサブスクリプションの試み

 最近ではインターネットに直接関係ない企業までもがサブスクリプション・モデルに関心を抱き始めています。

 良い一例は自動車メーカーです。ゼネラル・モーターズ(ティッカーシンボル:GM)のキャデラックは「Book」という名称のサブスクリプション・サービスを開始しています。

「Book」とは、毎月1,800ドル払えば自分の好きな時、好きなだけキャデラックに乗ることができる、というサービスです。つまりキャデラックを所有するのではなく、常に整備の行き届いた新品同様のキャデラックの支給を受けるアクセスの権利を買うわけです。

 そこでは保険とか整備サービス契約などの煩わしい手続きを一切することなく、飽きたら他のクルマに乗り換えることができるというメリットがあります。

 同様にポルシェは「Passport」というサービスを、BMWは「Access」というサービスを、メルセデス・ベンツは「Collection」というサービスを展開しています。

 これらの自動車会社各社のサービスに共通するのは「いつでもクルマを取り換えられる」という柔軟性とバラエティーを提供しているということです。それらを通じ消費者を飽きさせず、自社のブランドに忠誠なファンを育てようとしているわけです。

サブスクリプション・モデルのメリット・デメリット

 サブスクリプション・モデルは従来の「売り切り」ではないため、商品の所有権が一度に購入者に移ることはありません。毎月、売上高が「使用料」のような感じで入金されるカタチになります。企業と顧客はそのサービスを通じて常に接触があり、顧客の満足度や利用状況に関する洞察、つまりインサイトが得られます。

 言い換えれば、当てずっぽうの勘に頼るマーケティングの重要性が減り、カスタマー・サービスのような継続的なサポートの重要性が高まります。市場調査、フォーカス・グループなどの伝統的なマーケティング活動は要らなくなると論じるアナリストもいます。

 企業は商品ではなくアウトカム(結果)を届けることに専念し、途中であっても顧客が満足しないならサービスを改変する必要ができます。つまり、これまでのソフトウェア・リリースや新車の発表というサイクルは、絶え間ないアップデートにより置き換えられてゆくのです。

 サブスクリプション・モデルは新しいビジネス・モデルなのでKPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)、すなわち重要業績評価指標も変わってきます。

 そこでは

  • 年間経常収益(Annual Recurring Revenue)
  • 顧客定着率(Retention Rate)
  • 顧客生涯価値(Lifetime Value)

 などが重要になってきます。

投資目線で見るサブスクリプション・モデル

 さて、投資家目線からサブスクリプション・モデルの魅力を考えると、何よりも将来の売上高が読みやすい点がありがたいです。これをビジビリティー(Visibility)と言います。ビジビリティーが高い、言い直せば将来の数字を読みやすいビジネスに対しては、より高い株価評価を与えることが可能です。

 次に、サブスクリプション・モデルでは顧客が比較的軽い気持ちで新しいサービスを試すことができるので顧客獲得コストが安い場合もあります。それは急成長しやすいビジネス・モデルということになります。

 半面、顧客定着率が低い場合、せっかく新規顧客を獲得してもすぐそれらの客が離れてゆくため、新規に獲得したアカウントの顧客生涯価値は低くなります。それが低いということはその企業価値そのものも低くなるわけで、株価低迷の一因になります。

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