プラチナの関連国☆コモディティクイズ解答と解説

答え1:プラチナの供給国・地域「鉱山生産」 (2017年)の正解は…

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

[解説]

  1位・南アフリカ共和国(71.8%)、2位・ロシア(11.9%)、3位・ジンバブエ(7.9%)でした。南アフリカ共和国は世界の鉱山生産の7割強を占めています。

  また、以下は2009年と2017年の各国の鉱山生産量の変化です。

図:「プラチナ鉱山生産量」の増減(2009年と2017年を比較) 単位:トン

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

  2009年から2017年にかけて、南アフリカ共和国の鉱山生産量が大きく減少したことがわかります。代わりに隣国のジンバブエや北米のカナダとアメリカが増加しました。ロシアもやや減少となりました。

  この間、鉱山生産は全体として南アフリカ共和国からの減少が影響し、3.9トンの減少となりました。

答え2:プラチナの供給国・地域「自動車鉱山」 (2017年)の正解は…

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

[解説]

 1位・北米(38.6%)、2位・欧州(35.9%)、3位・日本(5.7%)でした。

 また、国・地域別の供給量の変化は以下のとおりです。

図:「プラチナ自動車鉱山からの供給量」の増減(2009年と2017年を比較) 単位:トン

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

 いずれの国・地域においても増加しています。全体としては12.4トンの増加となっています。今後、EV化が進めばこのカテゴリからの供給が増加する可能性があります。

 

答え3:プラチナの供給国・地域「宝飾品からのリサイクル」 (2017年)の正解は…

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

[解説]

 1位・中国(69.8%)、2位・日本(27.8%)、3位・北米(1.0%)でした。宝飾品からのリサイクルについては、世界の宝飾品のリサイクルは中国と日本以外ではほとんど行われていないようです。

 プラチナの宝飾品向けの消費自体は、北米や欧州でもあるはずなのに、宝飾品からのリサイクルランキングでは、1位の中国、2位の日本だけで98%近くを占めています。世界的に見て、宝飾品の中のプラチナをリサイクルする文化は、中国・日本特有のものなのかもしれません。

図:「プラチナ宝飾品からのリサイクル量」の増減(2009年と2017年を比較) 単位:トン

出所:トムソン・ロイターGFMSのデータより筆者作成

 中国からの宝飾品からのリサイクル量が増加しています。今後も中国からの宝飾品からのリサイクル量が増加する可能性があります。

 いかがでしたでしょうか。

 供給国が原油や農産物などの他の商品に比べて少ないため、一つ一つの供給国の影響度が大きい特徴があります。プラチナの市場環境を知る上で、供給面に着目することはさまざまな意味で重要だと筆者は考えています。余裕があれば、4位以下の国・地域も覚えてみると良いかもしれません。

 

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