7月6日以降、緊張は緩和か?

 今、世界の株安の最大の原因は「米中貿易戦争」です。この米中貿易戦争は7月6日(金)にひとつのクライマックスを迎えます。この日、アメリカは340億ドルに相当する中国からの輸入品に対して追加関税を課すと見られています。もしアメリカが予定通りこれを実施した場合、中国も速やかにそれに報復するという意思表示をしています。

「相場は知ったら、しまい」という格言があります。これは投資家が予期する悪いニュースが現実のものとなれば、それは材料の出尽くしであり、むしろ「買い」だという考え方です。今回の場合もこの法則がたぶん当てはまると思うので、このところ大きく売り込まれている中国株は一時的反発が期待されます。

 しかし、米中関係の緊迫が今週で峠を越すかどうかは、かならずしも楽観視できないと思います。

 その理由は1970年代から80年代にかけて勃発した日米貿易摩擦の経緯を見ると、不均衡の是正の議論は10年越しで戦われた極めて長丁場の交渉だったからです。