拡大するカーシェアリング市場

 カーシェアリング市場は右肩上がりに拡大していますが(図3)、「タイムズ カー プラス」の車両台数が21,591台(2018年4月末時点)だったので、台数ベースのシェアは約74%となります。同じく会員数は約98万人だったため、会員数ベースのシェアは約7割です。今後も同社は車両台数を増やす計画です。

図3 国内のカーシェアリング車両台数と会員数

期間:2011年~2018年
出所:交通エコロジー・モビリティ財団HP(2011年~2014年までは1月、2015年以降は3月調べ。)より楽天証券が作成

 カーシェアリングの需要拡大の背景には、自動車を維持するコストの高さがあります。車両自体の購入費、自賠責保険、自動車任意保険、点検費用、車検費用、燃料代、消耗品費用など諸々のコストが発生します。都内であれば駐車場代だけで月間3万円かかり、それだけで年間36万円になります。自動車関係諸税については、エコカー減税制度やグリーン化特例によって実質的な負担額が減少するケースもありますが、その他の諸経費は引き続き負担になります。

 使用時間が短時間であればレンタカーよりもカーシェアリングのほうがコストを抑えられるうえに、予約や受け渡し時間に柔軟性があるため、より気軽に使うことができます。「タイムズ カー プラス」の場合、予約はスマートフォンなどで出発の3分前まで出来ます。また、貸出手続きの対応が無人のために24時間の受け渡しが可能です。会社側の試算によると、「タイムズカープラス」とレンタカーサービスの「タイムズカーレンタル」を比べた場合、およそ9時間半以内の利用時間であればカーシェアリングのほうがコストを抑えられ、分岐点となる9時間半時点のコストは約7,000円と推定されています(車種や燃料費等によって金額は左右されます)。

「タイムズカープラス」利用方法(出所:会社資料)

(1)インターネットで車両の予約(スマートフォンからでも可能)

(2)予約をした車両のあるカーシェアリングステーションへ

(3)車内に搭載しているLEDライトが点滅しているか確認

(4)リアガラスの右上部分のLEDライトにICカードをかざし、車両のドアを解錠

▲ICカードのデータが携帯電話網を通じてセンターへ送信され、会員の予約情報と照合

(5)助手席の前のグローブボックス内にあるキーボックスから、クルマのキーを取り出し、通常と同じ操作方法で運転

(6)使用後は元のカーシェアリングステーションへ戻り、(4)と同じ方法で施錠して返却

カーシェアリングとレンタカーのサービス比較(パーク24のサービスの場合)

出所:会社資料

利用時間によるコスト比較

カーシェアリングは利用時間と比例して料金が上がるため、短時間ではカーシェアリング、長時間利用ではレンタカー利用が得

※レンタカーはタイムズ カー レンタルのコンパクトカー標準利用価格にガソリン代金を加味
※カーシェアリングはタイムズ カー プラスのショートプラン利用料金で算出(パック料金利用を加味)
出所:会社資料