■回答と解説■牛肉 関連国☆コモディティクイズ

回答1:牛肉の生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(19.4%)、2位ブラジル(15.5%)、3位EU(12.8%)でした。

 ランキング上位の特徴は、国土が広く牛のエサとなる穀物(とうもろこしや大豆)の生産が盛んだということです。

参考:
コモディティ☆クイズ【7】「とうもろこし関連国(地図付)」に挑戦してみよう!
コモディティ☆クイズ【8】「大豆関連国(地図付)」に挑戦してみよう!

また、経済発展による牛肉消費量の増加や従来からの食文化が喚起する消費をまかなうために生産が行われている国もあります。(消費量については後述します)

 

回答2:牛肉の輸出国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(18.6%)、2位インド(18.5%)、3位オーストラリア(14.9%)​でした。

 世界全体の輸出率(輸出量÷生産量)は、16.2%です。世界で生産された牛肉が貿易の品目として出回る量は生産量に比べれば多くないと言えます。

 輸出量ランキング上位国の輸出率で特徴的なのが、ブラジルと米国などの低めの国(ブラジル19.4%、米国10.9%、EU4.6%、アルゼンチン10.4%)と、高めの国(オーストラリア69.1%、ニュージーランド90.7%、ウルグアイ73.4%、パラグアイ62.0%)に分かれたことです。輸出率が高いオーストラリアやニュージーランド、ウルグアイ、パラグアイにとって牛肉の輸出は重要な外貨獲得手段であると言えます。

 また、牛肉の輸出を地域別のシェアで見ると、南米は29.7%、オセアニアは20.9%、北米が17.7%となっています。世界規模でみれば、ある程度、供給元が分散されていると言えそうです。

回答3:牛肉の輸入国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(17.1%)、2位中国(12.2%)、3位日本(10.3%)​でした。

 米国は輸出国でもありますが、輸入国でもあります。EU、カナダ、ランク外ですがメキシコも同様です。米国はカナダ、メキシコと、EUは域内での融通や加工目的で牛肉を輸入するケースなどがあると考えられます。

 一方、中国、日本、香港、韓国などのアジア諸国は、大幅な輸入超過国であるため、純粋に消費のために輸入していると言えます。
 

回答4:牛肉の消費国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(20.2%)、2位中国(13.8%)、3位EU(13.2%)​でした。

 米国では特に、鉄板や金網で直火焼きをしたビーフステーキや、炭や薪などでじっくり焼いたりいぶしたりするバーベキューなどで牛肉を口にすることが好まれています。

 ブラジルやアルゼンチンなどの南米では、鉄の串にさして炭火で焼く肉料理であるシュラスコが親しまれています。“お国柄”が消費国のランキングに表れているといます。

 また、2000年代初頭、国内外で狂牛病(BSE 牛海綿状脳症)が流行して牛肉の生産や輸出が停滞し、消費に影響が出た時期がありました。(日本では大手牛丼チェーン店が一時牛丼の販売を停止しました)

 しかし、人口の増加や、経済発展にともなう食の欧米化が進んでいることで、世界全体の牛肉消費量は増加し続けています。

図:世界の牛肉消費量 単位:千トン

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

人口、経済発展と食文化、そしてお国柄が、今後も牛肉消費を増加させると考えられます。いかがでしたでしょうか。牛肉のことを知る上で、関連国を知ることは非常に重要かつ有効であると思います。