・今回は「牛肉」に関連する国について解説します。
・複数のヒントをもとにクイズにトライして、牛肉の基礎知識を身につけましょう。

今回は「牛肉 関連国」に注目

 農業によって生産された品目(農産品)のうち、畜産物に分類される「牛肉」について、生産国・輸出国・輸入国・消費国の状況を探ります。以下のレポートでも述べましたが、牛肉の消費量は「豊かさの象徴」と言えます。(参考:牛肉消費量は「豊かさ」の象徴!?

 どの国で牛肉が消費されているのでしょうか? そして、その国の消費をまかなうためにどの国で生産されているのでしょうか? 輸出や輸入の状況はどうなっているのでしょうか。

 牛肉は激しい議論がなされている米中貿易において、大豆や自動車と並んで注目度が非常に高い品目です。今後の牛肉の市場環境を考える上で関連国の動向をおさえておくことは重要だと筆者は考えています。
 

牛と牛肉の輸出入について

 米農務省(USDA)のデータによれば、解体前の牛(生きている牛)の輸出入頭数は少ないことがわかります。2017年の世界の牛の生産頭数がおよそ2億9000万頭でしたが、輸出頭数は491万頭でした。

 解体数とともにみてもわかるのですが、ほとんどの場合、解体はその牛を生産した国で行われ、解体後に得られる肉が輸出されています。このため、世界の牛肉の動向を見る場合は、解体前の牛ではなく牛肉の動向をみることが重要です。
 

牛肉関連国☆コモディティクイズ全4問

 牛肉の環境を知る上で、供給側(生産・輸出)と需要側(消費・輸入)といった、関連国全体の状況を把握しておくことが重要です。国旗や地図上の位置、マスの大きさ(国名の文字数)をヒントに、各問の上位3カ国を考えてみましょう。

※各データは米国の農務省(U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE以下、USDA)の統計をもとに作成しました。

 

問1:牛肉の生産国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は3ページ目にあります

 

問2:牛肉の輸出国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は3ページ目にあります

 

問3:牛肉の輸入国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう? 

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は3ページ目にあります

 

問4:牛肉の消費国
上位3カ国、1位、2位、3位はどこの国でしょう?

出所:USDAのデータをもとに筆者作成
★答えと解説は、このページの下段にあります

■回答と解説■牛肉 関連国☆コモディティクイズ

回答1:牛肉の生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(19.4%)、2位ブラジル(15.5%)、3位EU(12.8%)でした。

 ランキング上位の特徴は、国土が広く牛のエサとなる穀物(とうもろこしや大豆)の生産が盛んだということです。

参考:
コモディティ☆クイズ【7】「とうもろこし関連国(地図付)」に挑戦してみよう!
コモディティ☆クイズ【8】「大豆関連国(地図付)」に挑戦してみよう!

また、経済発展による牛肉消費量の増加や従来からの食文化が喚起する消費をまかなうために生産が行われている国もあります。(消費量については後述します)

 

回答2:牛肉の輸出国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(18.6%)、2位インド(18.5%)、3位オーストラリア(14.9%)​でした。

 世界全体の輸出率(輸出量÷生産量)は、16.2%です。世界で生産された牛肉が貿易の品目として出回る量は生産量に比べれば多くないと言えます。

 輸出量ランキング上位国の輸出率で特徴的なのが、ブラジルと米国などの低めの国(ブラジル19.4%、米国10.9%、EU4.6%、アルゼンチン10.4%)と、高めの国(オーストラリア69.1%、ニュージーランド90.7%、ウルグアイ73.4%、パラグアイ62.0%)に分かれたことです。輸出率が高いオーストラリアやニュージーランド、ウルグアイ、パラグアイにとって牛肉の輸出は重要な外貨獲得手段であると言えます。

 また、牛肉の輸出を地域別のシェアで見ると、南米は29.7%、オセアニアは20.9%、北米が17.7%となっています。世界規模でみれば、ある程度、供給元が分散されていると言えそうです。

回答3:牛肉の輸入国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(17.1%)、2位中国(12.2%)、3位日本(10.3%)​でした。

 米国は輸出国でもありますが、輸入国でもあります。EU、カナダ、ランク外ですがメキシコも同様です。米国はカナダ、メキシコと、EUは域内での融通や加工目的で牛肉を輸入するケースなどがあると考えられます。

 一方、中国、日本、香港、韓国などのアジア諸国は、大幅な輸入超過国であるため、純粋に消費のために輸入していると言えます。
 

回答4:牛肉の消費国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位米国(20.2%)、2位中国(13.8%)、3位EU(13.2%)​でした。

 米国では特に、鉄板や金網で直火焼きをしたビーフステーキや、炭や薪などでじっくり焼いたりいぶしたりするバーベキューなどで牛肉を口にすることが好まれています。

 ブラジルやアルゼンチンなどの南米では、鉄の串にさして炭火で焼く肉料理であるシュラスコが親しまれています。“お国柄”が消費国のランキングに表れているといます。

 また、2000年代初頭、国内外で狂牛病(BSE 牛海綿状脳症)が流行して牛肉の生産や輸出が停滞し、消費に影響が出た時期がありました。(日本では大手牛丼チェーン店が一時牛丼の販売を停止しました)

 しかし、人口の増加や、経済発展にともなう食の欧米化が進んでいることで、世界全体の牛肉消費量は増加し続けています。

図:世界の牛肉消費量 単位:千トン

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

人口、経済発展と食文化、そしてお国柄が、今後も牛肉消費を増加させると考えられます。いかがでしたでしょうか。牛肉のことを知る上で、関連国を知ることは非常に重要かつ有効であると思います。
 

楽天証券で取り扱っている畜産物の海外ETN銘柄例

楽天証券では「海外ETN取引」において、以下の銘柄を取り揃えております。長期的な視点で価格の推移をご注目ください。

対象 銘柄名 取引所 経費率
畜産物 iPath シリーズB ブルームバーグ畜産物サブ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.45%

対象指数であるBloomberg Livestock Subindex Total Returnに連動するETN。同指数は生牛、豚赤身肉の先物価格を対象としており、ETNを通して畜産物への投資を可能としている。構成は、生牛68%、豚赤身肉32%となっている。

対象 銘柄名 取引所 経費率
指数 iPathブルームバーグ・コモディティ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.7%

対象指数であるBloomberg Commodity Index Total Returnに連動するETN。同指数は、複数の商品先物価格を対象にしており、ETNを通してコモディティへの投資をすることができる。構成は、エネルギー31%、穀物22%、産業用金属17%、貴金属15%、農産物6%、畜産物6%などで構成されている。

対象 銘柄名 取引所 経費率
指数 iPath S&P GSCIトータルリターン指数ETN NYSE Arca 0.7%

対象指数であるS&P GSCI Total Return Indexに連動するETN。同指数は、原油62%、産業用メタル11%、穀物10%、畜産物6%、貴金属4%、農産物3%など複数の商品先物で構成されており、ETNを通してコモディティへの投資をすることができる。同指数は、コモディティ投資のベンチマークとして利用される。

対象 銘柄名 取引所 経費率
穀物 iPath シリーズB ブルームバーグ穀物サブ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.45%

対象指数であるBloomberg Grains Subindex Total Returnに連動するよう運用されるETN。同指数は、コーン、大豆、小麦の先物価格を対象としており、ETNを通して穀物への投資をすることができる。構成は、コーン39%、大豆38%、小麦21%となっている。

対象 銘柄名 取引所 経費率
農産物指数  iPath シリーズB ブルームバーグ穀物サブ指数トータルリターンETN NYSE Arca 0.45%

対象指数であるBloomberg Agriculture Subindex Total Returnに連動するETN。同指数は、コモディティの中のコーン、大豆、砂糖、小麦、大豆油、大豆粕、コーヒー、綿の先物価格で構成されており、ETNを通して農作物への投資をすることができる。構成は、コーン24%、大豆23%、小麦13%、砂糖12%、大豆油10%、コーヒー9%、コットン5%となっている。
 

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2018年4月6日:コモディティ☆クイズ【8】「大豆関連国(地図付)」に挑戦してみよう!

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