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原油が反落!資源関連株への投資はどうすべきか?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

原油が反落!資源関連株への投資はどうすべきか?

2018/5/30
・WTI原油先物が急反落、サウジ・ロシアが減産を緩める可能性表明で
・需給が引き締まり、2017年後半から上昇が加速してきた原油価格
・資源関連株の投資判断:総合商社に投資妙味を感じる
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(1)WTI原油先物が急反落、サウジ・ロシアが減産を緩める可能性表明で

 WTI原油先物(期近)が、先週、急落しました。原油先物は、昨年後半から騰勢を強め、5月21日に1バレル72.24ドルをつけていました。ところが、そこから急反落し、25日には、1バレル67.88ドルまで売られました。

WTI原油先物(期近)の動き:2018年3月1日~5月28日

注:楽天証券経済研究所が作成

 

 25日に、サウジアラビアとロシアのエネルギー担当相が会談し、「供給不足に対応し、減産を緩和する準備がある」と表明したことが、急落のきっかけとなりました。2017年以降、OPEC(石油輸出国機構)とロシアが協調減産することで、需給が引き締まり、原油価格は上昇してきました。OPECを主導するサウジと、非OPECのロシアが「減産を緩める」可能性に言及したことに反応し、原油先物は、売られました。投機筋の買いで上昇し、やや過熱感が出ていたところだったので、利益確定売りの格好の口実となりました。

 WTI原油先物(期近)は、当面、1バレル60~70ドルで推移すると予想しています。投機筋の買いでどんどん上がる局面は終わったと考えられますが、それでも好調な世界景気を背景に需要は堅調であり、直ちに需給が崩れるとは考えられません。

 

(2)需給が引き締まり、2017年後半から上昇が加速してきた原油価格

 原油需給・価格がどう推移してきたか、簡単に2014年以降の動きを振り返ります。

WTI原油先物(期近)の動き:2014年1月2日~2018年5月28日

出所:シェールオイル生産コストは楽天証券経済研究所の推定

 

 原油価格は、世界の原油需給のバランス変化によって動いています。需要は年々安定して増加していますが、供給はさまざまな要因で増えたり減ったりします。その結果、原油は供給過剰や、需要過剰になって、乱高下しています。

 グラフ中の<1>から<4>の動きを、以下に説明します。

<1>2014年に原油価格が急落

 2013年まで原油の世界需給は、日量50万バレルの需要過剰でしたが、2014年に日量90万バレルの供給過剰になったため、原油価格は急落しました。米国でシェールオイルの生産が拡大したことが、供給過剰を招きました。

 

<2>2015年後半に原油価格が再び急落

 2014年の原油急落で、米国のシェール油田でコスト割れが増えました。2015年前半は、シェールオイルの生産が減る思惑から、原油が反発しました。しかし、2015年後半は中東原油が増産され、供給過剰が日量200万バレルまで拡大したために、原油価格が再び急落しました。高コストの米シェール油田は廃業に追い込まれたものの、低コストのシェール油田が増産したために、シェールオイルの生産はあまり減りませんでした。

 

<3>2016年に原油価格が反発

 米シェールオイルの生産がようやく減り始めたこと、OPECが減産に向けて話し合いを始めたこと、世界需要が順調に拡大したことを受け、原油需給が徐々に改善に向かい、原油価格が反発しました。11月にOPEC+ロシアが減産で合意すると上昇に弾みがつきました。

 

<4>2017年後半~18年にかけて、上昇が加速

 世界景気の回復を受けて、原油需要が順調に拡大する中、OPEC+ロシアの減産が続けられたため、需給がしまりました。世界的に株が上昇し、投機筋がリスク資産への投資を増やす中、原油先物にも買い建てを増やしていったことが、原油価格の一段の上昇につながりました。

 今月8日、トランプ米大統領が、イラン核合意からの離脱を表明したことが、原油先物がさらに上昇し、1バレル70ドル台に乗せる原動力となりました。米国がイランへの経済制裁を開始すれば、イランからの原油供給が減少すると見られたからです。

 米シェールオイルは、技術革新によって年々生産コストが継続的に低下してきています。原油価格の上昇が続いた効果で、再び、増産トレンドに入っています。ただし、今のところ、世界的な原油需給を緩和するには至っていません。

 

(3)資源関連株の投資判断:総合商社に投資妙味を感じる

 2016年以降、原油だけでなく、鉄鋼石・石炭・銅など、資源価格は、全般的に反発が続いてきました。これで、一時、収益が大幅に悪化していた日本企業の資源ビジネスは息を吹き返しました。

 ただし、世界的な技術革新によって原油などの資源を安く大量に生産する技術は、年々進歩しています。供給過剰におちいって資源価格が再度下落することは、これからも起こりえます。そうした不安を反映し、資源関連株は、総じてPER(株価収益率)などのバリュエーションで、割安となっています。

 私は、資源ビジネスだけ展開するピュアな資源株は、収益が不安定なので、高く評価することはできないと考えています。具体的には、国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)には、投資したいと思いません。

 資源ビジネスで稼ぎながら、非資源ビジネスの収益を伸ばし、最高益を更新してきている大手総合商社には、積極的に投資したいと思います。

 2019年3月期の連結純利益(会社予想)で、最高益更新を見込んでいる、伊藤忠商事(8001)・丸紅(8002)・三菱商事(8058)・住友商事(8053)に、投資妙味を感じます。三井物産(8031)は、2019年3月期の連結純利益(会社予想)が最高益に届きませんが、最高益に近い利益を上げる見込みであり、同じように投資価値は高いと考えています。

 ただし、1つ注意点があります。商社ばかりに集中投資すべきではありません。「同じバスケットにすべての卵を入れるな」という投資格言があります。単一のリスクを取りすぎないよう、分散投資せよという意味です。

 大手総合商社は、魅力的な投資対象であると考えますが、世界景気敏感株で、株価のボラティリティ(変動性)が大きいことを考えると、あくまでも分散投資の一環として、保有すべきと考えます。

 

 

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