本日(4月2日)発表された3月日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の内容は、4月27~28日の金融政策決定会合で日銀が緩和バイアス継続の必要性を再び強調することを正当化するものである。インフレを示す決定的な証拠はないが、景気は局面が変わってきている。今回、業況判断DIは2年振りの低下となった。
3月日銀短観からは前向きな構造改革の動きもうかがわれ、企業の研究開発(R&D)投資とIT投資はいずれも加速している(土地投資は大幅に圧縮され、全体的な設備投資見通しを押し下げている)。資産取得を控え、生産性を重視する企業の姿勢が読み取れる。
最後に、利益見通しは極端に保守的であり、向こう数四半期は売上高成長の上振れを背景に利益予想の上方修正が続くとみられる。
業況判断
業況判断DIは引き続き高いプラスの数字を維持しているが、2年振りに低下し、プラスのモメンタムが失われたことを示している(大企業製造業の業況判断DIは昨年12月調査の+26から2ポイント下落し+24)。
株式投資の注目点
3月日銀短観の最もポジティブな側面として非常に控え目な利益見通しが挙げられる。全産業ベースの2017年度経常利益が前年度比+7.1%なのに対し、2018年度計画は-1.5%である。
売上高見通しが非常に控え目であることが主な理由である。全産業ベースの2017年度売上高が前年度比+3.1%なのに対し、2018年度計画はわずか+1%である。売上高と世界GDP成長率との高い相関性を踏まえると、これは余りに慎重すぎる見方と思われ、向こう数四半期は予想利益の上方修正が相次ぐと考えられる。
しかし、筆者の見るところ、過度に悲観的な売上見通しとは対照的に想定為替レートは依然として円安を見込んだ水準である(2017年度の110.7円/ドルに対し、2018年度は109.7円/ドル)。
つまるところ、3月日銀短観は業績予想の新たな上方修正サイクルが始まる可能性が高いことを示しているが、これは売上高成長が計画を上回ることが主因と考えられる。今回の発表に関連して、株式投資の際にはこの点に留意すべきであろう。
設備投資の質が改善
国内の設備投資サイクルはピークアウトしたと考えられるが、土地投資を縮小する一方でソフトウェア/IT投資を増額するなど設備投資計画の内容は改善している。従って、今後は構造改革の進展と生産性の向上が期待できよう。
データ:設備投資額(含む土地投資額)の2018年度計画(全産業)は前年度比-0.7%と2017年度の+4%から縮小。 土地投資額が2017年度の-11.3%から-31.4% へと減少幅が拡大することが原因。
ソフトウェア・研究開発を含む設備投資額(土地投資を除く)の2018年度計画は前年度比+2%(2017年度は+4.2%)。IT/ソフトウェア投資は2017年度の+3.7%から2018年度は+8.1%、また研究開発投資も+1.3%から1.5%に加速。
こうした動向は商業用不動産市場にとってはマイナス材料だが、生産性と競争力の強化に向けた前向きな構造改革の可能性が高まっていることは確かだ。資本の深化が現実味を帯びてきている。
2018年4月2日 記























































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