facebook twitter
6月の日銀短観は下方修正。控えめすぎる会社計画、想定為替レートは107.3円
イェスパー・コール
エコノミストが見た、投資のヒント
JPモルガンやメリルリンチにて、常にトップクラスの日本経済のストラテジスト、エコノミストとして知られてきたウィズダムツリー・ジャパンCEOのイェスパーコールが、今の日本経済の見方…

6月の日銀短観は下方修正。控えめすぎる会社計画、想定為替レートは107.3円

2018/7/5
・利益予想、売上高予想ともに下方修正。企業経営者が極端に先回りした業績予想を出しているためと考えられる
・企業の想定為替レートも警戒感を裏付けている
・設備投資計画は大幅に上方修正された
・全般的に業況判断は安定しているが、製造業と小売業が悪化を示した点には注目
・物価とインフレに関するデータから、目立ったインフレ圧力はないとみられる
・向こう6カ月は企業利益の上方修正サイクルが続くと考えている
facebook twitter メールで送る 印刷

6月の日銀短観:日本株式会社の5つの基本的なトレンドを確認

  1. 6月日銀短観では利益予想、売上高予想ともに、さらなる下方修正が行われたが、これは企業経営者が極端に先回りした業績予想を出しているためであると筆者は考えている。特に、取引所に上場している大企業の経常利益の2018年度計画は前年度比-6.1%である(2017年度は+17.3%)。背景にあるのは売上高成長見通しの急激な悪化で、2018年度計画はわずか+1.9%を見込んでいる(2017年度は+5.8%)。これは、極めて控え目な予想であり、向こう数四半期に売上高成長率の上振れが明らかになれば、利益の上方修正が相次ぐことになろう。いずれにしろ、日本経済も世界経済もそれほど急激に悪化しているわけではない。売上高が会社計画を1%上回ると、利益は約8%押し上げられる点に留意したい。
     
  2. 企業の想定為替レートも警戒感を裏付けている。大手製造業は2018年度の平均レートを107.3円/ドルと想定しているが、これは3カ月前の109.7円よりも保守的である。ここでも、円相場が想定レートより1円円安になると、利益は1%近く押し上げられる点に注目したい。
     
  3. 設備投資が需要の牽引役になってきている。設備投資計画は大幅に上方修正された。設備投資(含む土地投資額)の2018年度計画(全産業)は前年度比+7.9%と、3カ月前の-0.7%から大幅に改善した。重要なのは、日本に新たに生まれた投資意欲を牽引しているのは土地ではなく生産的資本、ソフトウェア、R&D(研究開発)への投資である点だ。実際、2018年度の土地投資計画額は前年度比-30.6%(2017年度は-3.3%)となっている。これは将来の生産性向上、ならびに資本財サプライヤの売上高の伸びにとって歓迎すべき傾向である。
     
  4. 全般的に業況判断は安定しているようだが、2業種が悪化を示した点には注目したい。製造業では、自動車の総合業況判断DIは 22から15へと大幅に悪化し、米国主導の保護主義が国内自動車メーカーに与える打撃を早々に警戒していることが明らかとなった。さらに危惧されるのは、小売業のDIが11からゼロに低下したことである。対個人サービス業のDIが 27から37に急激に改善した事実は、個人消費の伸びが依然として堅調に加速していることを示しているが、この個人支出の継続的な拡大の裏で従来型の小売店舗は置き去りにされている。従って、個人消費の本当の強さを評価するのは難しいが、国内消費者サービス業界のM&Aや統合の動きが一層激しくなる可能性は高いだろう。
     
  5. 最後に、物価とインフレに関するデータは、目下、日本の需給均衡状態に何ら変化がないことを示しており、目立ったインフレ圧力はないとみられる。敢えて言えば、企業の新たな設備投資意欲と小売チャネル破壊の動きが相まって、日本人の購買力は今後も上昇を続けると思われる。

 結局、向こう6カ月は企業利益の上方修正サイクルが続くという見方を当社は維持する。当社は2018年度増益率を約12%と予想している。日銀短観は非常に控え目な会社計画を明らかにしており、当社のポジティブな業績見通しを後押しする内容である。

2018年7月2日 記

ウィズダムツリー・ジャパンで掲載中のブログはコチラ

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

投資の失敗
老後破綻
はじめよう株主優待
桐谷広人

 

このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください6月の日銀短観は下方修正。控えめすぎる会社計画、想定為替レートは107.3円

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

6月の日銀短観は下方修正。控えめすぎる会社計画、想定為替レートは107.3円

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
はじめての下落相場と損
 
インベスターZ
 
投資の失敗
老後破綻
 
ふるさと納税
 
山崎元
イデコ
 
動画でわかる
 
インタビュー
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。