図3:2006年以降の最高値に比べて現在価格の下落率が高い銘柄ランキング

出所:CME、NYBOT、LME、TOCOMのデータを基に筆者作成

図4:天然ガスと銀の値動き

出所:CMEのデータをもとに筆者作成
注:2003年1月平均価格を100とする

 

【銘柄ランキング】2006年以降の最安値に比べて現在価格の上昇率が低い

 次に「底値感」についてです。

 2006年1月以降の最安値から現在価格の上昇率が低いランキングを見ると、最も低い銘柄は、プラチナでした。次にコーヒー、赤身豚肉と続きます。

図5:2006年以降の最安値に比べて現在価格の上昇率が低い銘柄ランキング 

出所:CME、NYBOT、LME、TOCOMのデータを基に筆者作成

図6:プラチナとコーヒーの値動き

出所:CME、NYBOTのデータを基に筆者作成
注:2003年1月平均価格を100とした

「下げ一服感」では下落率が低く、「底値感」では上昇率が高かったパラジウムや金は、目下、長期的なトレンドが出ている、あるいは2006年以降、現在の価格が高値圏でも安値圏でもない、と言えそうです。

図7:パラジウムと金の値動き 

出所:CMEのデータをもとに筆者作成 注:2003年1月平均価格を100とした

出所:CMEのデータをもとに筆者作成
注:2003年1月平均価格を100とした

 

長期的視点で「下げ一服感」「底値感」が比較的見られるのは「銀」「プラチナ」!?

 期間内の高値安値を基にした上昇率、下落率という単純なものであるものの、パラダイムシフトが明確になった以降の各種コモディティ銘柄の長期的な値動きを「下げ一服感」「底値感」という視点で見てきました。

 投資という点で言えば、この2つの点に加え、手軽に取引ができる(積み立て、ETFなどで取引ができる)、流動性が高い(ある程度人気がある)などが重要です。

 これらの点を踏まえた上で消去法的に考えると、残る銘柄は、銀およびプラチナなのかと思います。

「下げ一服感」を測った2006年以降の最高値から下落率が高い銘柄ランキングで銀は2位、プラチナは「底値感」を測った2006年以降の最安値から上昇率が低い銘柄のランキングで1位でした。ともに、日本国内で積み立てやETFで取引できる銘柄です。

 ともに下落する材料を抱えた銘柄ですが、長期的な視点に立ち、ゆっくりと値動きを見守るべき銘柄なのだと考えます。

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