週始め2万2,000円台回復するも、すぐに反落。もみあいへ

先週の予測

 日経平均株価の上値は重く、基本的には米国株式(特にNYダウ)の動きと為替の動きをみて、どこまで上昇が継続するか見極める必要があるとしました。日本の輸出企業のドル/円為替レートが1ドル=110円水準であることを考えると、110円を下放れしているため日経平均の戻りには限界があるといえるし、基本、当面は2万1,000~2万2,000円のレンジの中での動きを想定しました。もし超えても2月7日の長い上ヒゲとなっている2万2,353円を埋めるぐらいとしました。

結果

 週始めは米国がプレジデントデーで休日のため、国内市場での外国人の売りが減少。この間を狙って日経先物が大きく買われ2万2,152円まで上昇し、+428円の2万2,149円で引けました。しかし、その後は2日連続の大幅安となって2万1,626円まで下げ、週末は2万1,892円で引けました。週始め2万2,000円台を回復するものの、その後は想定した2万1,000~2万2,000円のレンジの中での動きで引けました。

 19日(月)は、前週の米国市場でNYダウが6日続伸したことを好感。+183円の2万1,903円で寄り付き、ほぼ全面高となって2万2,000円台を回復しました。後場になると、この日の米国市場は休場のため、外国人の売り注文少なく、この中で日経平均先物にまとまった買いが入って、さらに一段高となり、+428円の2万2,149円で引けました。

 今回の下げは1月23日の2万4,129円から2月14日の安値2万950円までであり、この下げ幅の3分の1戻りが2万2,010円ですので、これを達成したことになります。 

 20日(火)は、欧州株安や日経平均が3日間で合計995円の大幅上昇ということもあって、その反動から利益確定売りで大幅安。一時▲317円の2万1,831円をつけ、終値は▲224円の2万1,925円となり、2万2,000円台回復は1日で終わりました。 

 21日(水)は、連休明けの米国市場では、利益確定売りで3指標そろって下落しましたが、円安を支えに小反発となり、+45円の2万1,970円でした。しかし、22日(木)は前日の米国市場が長期金利の上昇を嫌気し続落したことで、日経平均は大幅反落。一時▲343円の2万1,626円まで下げて終値は▲234円の2万1,736円で引けました。 週末の23日(金)は前日のNYダウの3日ぶりの反発を受け、日経平均も+156円の2万1,892円と反発して引けました。

 23日(金)の米国市場は、長期金利が低下したことで、3指標そろって上昇し、NYダウは+347ドルの2万5,309ドルで引けました。為替は1ドル=106.85円で引け、シカゴ日経先物は+115円の2万2,025円となっていました。

 

パウエル議長の議会証言や経済指標の発表に注目

今週の予測

 週初めは先週末のNYダウが高く、シカゴ日経先物も2万2,000円台に乗せているので、買い先行となりそうです。しかし、2万2,000円台では上値圧力強く、NYダウの上昇が続かなければ2万1,000~2万2,000円の中でのもみあいが続くことになりそうです。

 今週は、多くの経済指標の発表を控え、27日にはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の下院金融委員会での半年に1回の証言も控えており、結果によっては長期金利が再び上昇して株価に影響を与える場合も考えられます。 

 国内株式は円高水準ということや外国人投資家の売り越し基調もあって、出来高が増加せず、薄商いの中を先物主導によるインデックス買いに振らされている状況です。チャート的には19日(月)に2万2,149円で買い転換となったものの、出来高からみると、ダマシの可能性があります。2月7日のように2万2,353円を上にぬけていくようなら、戻りは続くことになりそうですが、逆に引線の終値で2万1,362円を切るようだと、再び2万1,000円を試す売りの形ができてきます。この形ができる場合の原因は円高進行ですが、きっかけは北朝鮮問題になるかもしれません。

 先週始めに、米朝秘密会談が予定されていたようですが、21日に北朝鮮側から会談中止の連絡が入りました。この秘密会談は「北朝鮮が核放棄しないと、リスクがそこまできている」ことを言うための会談とわかって中止してきたとの見方がでていました。しかし、ここにきて北朝鮮側の代表は米国と話し合う準備はできていると言い出しました。米国と北朝鮮は、結果的には話し合うというのが大方の見方のようですが、ある専門家は戦争の確率70%という人もいます。

 平昌五輪も閉会しましたので、北朝鮮問題はこれからの大きな地政学的リスクとして考えておいたほうがいいかもしれません。(日本人は万が一の場合ということを考える習慣のない国民ですが、東日本大震災では万が一のことが起こりました)

 26日(月)は、先週末の米国株高とシカゴ日経先物の2万2,000円台乗せを好感し、+241円の2万2,134円で寄り付き、日経先物にまとまった買いが入って、一時+333円の2万2,226円まで上昇し、前引けは+179円の2万2,072円でした。後場は持ち直しの動きとなり、海外勢の225先物のヘッジ売りを買い戻す動きから前場の高値近辺まで戻しましたが、さらに上昇するには商いが低調で出来高の増加が必要といえます。