株式投資で「買い時」以上に個人投資家を悩ませるのが、「持っている株をいつ売るか?」。筆者は迷わないよう、単純かつ客観的なルールを決めて売却するようにしています。

 

個人投資家の永遠のテーマ「持っている株をいつ売るか?」

「流行のテーマ株はキケン!? 株の買い時はいつ?」で、株の「買い時」を筆者がどのように判断しているかをお伝えしました。実は、「買い時」についてはそれほど難しくありません。極端な話、高値でつかまないようにしておけば、何とかなることが多いです。

 個人投資家にとって本当に難しいのは、買い時よりもむしろ売り時です。
2017年の日本株は日経平均株価が19%上昇、個別銘柄も右肩上がりの上昇となるものが多数出現するなど、かなり利益は得られたはずです。

 ところが、多くの個人投資家の方から話を聞くと、保有株の売却がうまくいかずに利益を伸ばせなかったという方が非常に多いことがわかりました。せっかく良い銘柄を良いタイミングで買うことができても、売り時が適切でないために満足のいく投資成果をあげることができていない、これが現実です。

 

多くの個人投資家が売り時を誤ってしまう理由は?

 なぜ多くの個人投資家が売り時を誤ってしまうのか、それは客観的な売却のルールを持たず、なんとなく「そろそろ下がりそうだから売ろう」とか「もう少し持ち続けてみよう」といった主観で判断をしてしまっているからです。

 売り時を誤ることによる影響は、大きく分類すると下記の2つです。

(1)売らずに保有した結果株価が下がって利益を取り逃がす(もしくは損失が膨らむ)

(2)売った後に株価がさらに大きく上昇して利益を取り逃がす

 ですから、これらの影響をできるだけ回避するようなルールを設定すればよいことになります。そのためには、「きっとこうなるだろう」とか「こうに違いない」と主観で考えるのではなく、客観的なルールを設けて淡々と売却することが必要です。

 筆者が設けているルールは、「株価が25日移動平均線を割り込んだら保有株を売る」、たったこれだけです。でも、これさえ守っていれば、(1)(2)の影響のいずれも回避することが可能なのです。