今年は、重要経済日程を押さえるだけでなく、さらに金融イベントに注目する必要があります。下表にまとめましたが、注目点は、

(1)2月のパウエルFRB新議長就任後にイエレン議長との政策に微妙な変化はあるのかどうか。パウエル氏は弁護士出身のため証拠がないと次のステップに動かないのではないか、従って物価上昇の証拠が揃うまでは利上げには慎重になるのではないかとの見方もあります。まずは2月中に行われる議会証言に注目です。

(2)黒田日銀総裁も4月に任期満了となります。続投との見方が大勢ですが、後任人事の話は2月から3月にかけて話題となってくる可能性があり、相場が動く可能性があります(交代なら金融緩和継続が不透明になり円売り要因の剥落による円高、続投なら影響なし)。また、日本の物価は、昨年は緩やかに上昇してきましたが、今年もこの緩やかな上昇が続きそうな気配です。実際に物価上昇が続くと海外勢の方から日銀の出口戦略が話題になってくる可能性があります(円高要因)。日銀総裁人事とともに注目材料です。

(3)9月末にECB(欧州中央銀行)の量的金融緩和政策の終了期限が予定されていますが、いまだ物価目標に到達していない中でECBが次のステップに進むのかどうかが注目されます(引き締め方向ならユーロ高要因。慎重姿勢ならユーロ売り要因)。

 仮に政策変更するにしても、9月の理事会でいきなり変更となることは予想されません。その前の7月の理事会や、8月は理事会がないことから8月の米国ジャクソンホールの講演で示唆する可能性があるため、それらに注目する必要がありそうです。ジャクソンホールでの中銀総裁の講演は毎年注目されています。特にFRB議長の講演は政策変更を示唆したことがあり注目されています。昨年は無風でしたが、今年はパウエル新議長とともにECBのドラギ総裁の講演にも注目です。

2018年の金融イベント

 

日米欧中央銀行の金融政策会議開催日

(注)※は日銀展望レポート公表、ECB理事会は木曜日開催、
FOMCは火~水曜日開催(ただし、11月は6日に中間選挙があるため水、木開催)
総裁の記者会見は、日欧は毎回、米は3、6、9、12月に会見
黒字は日米欧の理事会が重なっている日程。相場変動が大きくなる可能性がある

日米欧GDP速報値の発表日

 

CPI(日米欧消費者物価指数)