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『日銀短観』とは、日銀が金融政策運営の参考にするため、3カ月ごとに約1万社の企業に行う「全国企業短期経済観測調査」のことです。大企業・製造業の現状の景況感(業況判断DI)と3カ月先の景況感(先行きDI)が最も注目されます。日銀が15日に発表した12月の『日銀短観』では、現状の景況感が製造業中心に改善していることが示され、大企業・製造業は2006年12月以来、11年ぶりの高水準となりました。
【ポイント1】大企業・製造業の景況感は5期連続改善
11年ぶりの高水準
■12月の『日銀短観』は、大企業・製造業の業況判断DIが前回の9月調査から3ポイント上昇の25と、市場予想(ブルームバーグ集計、24)を上回り、5四半期連続で改善しました。業況判断DIは11年ぶりの高水準です。製造業は中堅、中小企業とも上昇し、企業規模を問わず改善しました。想定レート以上の円安や海外景気の回復を受けて、輸出の好調などが背景とみられます。業種別では自動車、生産用機械、鉄鋼、非鉄金属などが指数の改善に寄与しました。
■大企業・製造業の17年度の想定為替レートは1ドル=110.18円と、前回からやや円安水準となりました。
【ポイント2】非製造業は横ばい
天候不順などが影響
■一方、大企業・非製造業の業況判断DIは23と、前回から横ばいでした。中堅、中小企業についても前回比+1でした。消費は上向きつつありますが、天候不順や人件費の上昇の影響などから非製造業の改善は前回に比べ小幅にとどまりました。
■設備投資計画は、全規模・全産業ベースで6.3%と9月調査を上回りました。生産・営業用設備判断DI及び雇用人員判断DIはマイナス幅が拡大し、不足感が一段と強まりました。将来的に設備投資につながりそうです。
【今後の展開】景気拡大と増益期待が株価を支えよう
■12月の『日銀短観』は、天候要因等から非製造業がやや足踏みとなりましたが、製造業が改善し、総じてみると、景気が緩やかな拡大基調にあることが確認されました。
■日経平均株価は9月以降上昇が加速し、11月9日に一時23,000円台を回復、その後も高値圏にあります。海外景気の回復による輸出の好調さや市況回復などが、株式市場のサポート材料となったと見られます。北朝鮮や中東情勢などの不透明要因はあるものの、景気拡大の持続と企業収益の増益期待が今後も株式市場を支えそうです。