2017年通期の新規受注と利益に予想上振れ期待、「一帯一路」が追い風

現地コード 銘柄名
01829 中国機械設備工程
(チャイナ・マシナリー・エンジニアリング)
株価 情報種類
 4.76HKD
(11/6現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 中国機械設備工程の2017年下期の受注および利益について、BOCIは大幅な伸びを見込んでいる。新規受注は12月通期に60億米ドルに達し、同社経営陣が示した予想とBOCIの従来予想を33%上回るとの見方。下期には建設工事の進ちょく状況や利益水準が予想を上回るとみて、2017~2019年の利益見通しを各31~35%増額修正した。これに伴い、2017年予想PERで4.0倍をあてはめて目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは2017年通期の新規受注の上振れを見込み、その主因として中国の国家戦略「一帯一路」によるプラス効果を指摘している。同戦略が周辺諸国とのビジネス機会を後押しし、長期の安定成長に寄与するとの見方だ。同社は実際、海外建設市場で高いプレゼンスを誇る中国企業の一つ。BOCIは向こう数年にわたり、この分野の中国企業の海外受注が年率平均20-30%増加すると予測し、経験豊富な同社がその恩恵銘柄の筆頭格になるとみている。

 2017年にはアンゴラ、アルゼンチン、パキスタンなどの各国で、建設作業の進ちょく状況が改善。BOCIはこの要因などを反映させる形で、2017~2019年の利益見通しを上方修正した。2017年に関しては純利益予想を前年実績比2.8%の小幅減益となる20億4,700万元(修正前予測は15億3,300万元)に修正。2018年については同26.4%増の25億8,600万元(同19億6,800万元)に、2019年についても27億2,400万元(同20億1,300万元)に増額修正している。

 BOCIによると、2017年通期の新規の有効受注は35億米ドルと、目標の37億米ドルをやや下回る水準となる可能性が高い(有効受注=資金調達のめどが立っており、すぐにでも実行に移せる受注)。一方、売り上げや売掛金が米ドル建てで、決算通貨が人民元である同社にとっては元安がプラス。2015年、2016年に為替差益を計上した後、2017には元高を受け、5億8,300万元(上期に約2億3,200万元、下期に約3億5,000万元)の為替差損を計上する見通しという。ただ、BOCIのマクロリサーチ・チームによれば、この先一段の元高は考えにくい状況にあり、2017年の為替差損の計上が結果的に、2018年の増益率の押し上げに寄与する見込み。2017年通期に関しては経常ベースで前年同期比55.8%増の増益が期待できるとしている。

 BOCIは目標算出ベースとなる2017年予想PERを5.0倍から4.0倍(手許現金除外後の経常利益ベース)に引き下げながらも、2017~2019年の利益見通しの上方修正に伴い、同社の目標株価を引き上げた。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、プロジェクトの進ちょく状況が予想外に遅れる可能性を挙げている。