前日(11月1日)の市場概況

ドル/円:114円台でしっかり

 113円台後半からスタートしたこの日のドル/円は底固く、日経平均株価が21年4ヵ月ぶりの高値を更新したことを追い風に114円台を回復しました。

 NY時間は売り買いが交錯。雇用統計の先行指標となるADP(米国の大手給与計算アウトソーシング会社)全国雇用データが予想を上回る結果となって114.27円まで上昇、この日の高値をつけました。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は今回の会合で、政策金利であるFF金利の誘導目標の据え置きを決定。予想通りの結果となりましたが、米長期金利が軟化したためドル/円も113.74円まで下げ、この日の安値をつけました。ただ、FOMCが示した前向きな経済見通しは12月利上げを確実にしたとの安心感から114円台に戻し、終値は114.148円(前日比+0.504円)。(チャート1)

 なお、NY市場終盤、FRB(米連邦準備制度理事会)の次期議長にパウエル理事が決定と報じられました。パウエル氏は、イエレン議長と同じハト派の政策スタンスですが、共和党寄り。

 

ポンド/ドル:BOEは10年ぶりの利上げへ

 ブレグジット交渉の進展期待から、この日のポンド/ドルは10月13日以来となる1.3320ドルまで上昇。ただ、ここは先月3回上抜けに失敗しているレベルでもあり、本日のBOE(英国中央銀行)会合を控えていることもあって、いったん1.3239ドルまで戻しました。(チャート2)

 BOEは今夜の会合で約10年ぶりの利上げに踏み切り、政策金利を25ポイント引き上げ0.50%にする予定。カーニーBOE総裁が「数カ月内の利上げ」を強く示唆して以来、マーケットの利上げ期待は80%近くまで高まっています。そのため、利上げに対してのサプライズはないといってよいでしょう。マーケットの関心は、BOEが今後も利上げを続けるのか、それとも単発で終わるのか、ということに移っています。

 

ポンド/円:年初来高値を狙う

 ポンド/円は、ドル/円とポンド/ドルの両方に持ち上げられて9月25日以来となる151.93円まで上昇。

 この上は、そして9月21日につけた年初来高値152.85円がターゲットになりますが、この日はいったん150.94円まで引きました。(チャート3)

 

 

この指標を見逃すな!! 11月2~3日の注目イベント

2日(木):BOE会合、欧州PMI

 

3日(金):米雇用統計、カナダ雇用統計

 米10月雇用統計の非農業部門雇用者数は、大きく反動の予想。前回は、ハリケーンの影響でマイナスに落ち込みました。失業率は4.2%で安定。(米雇用統計直前レポートもご参照ください。)

 カナダの失業率は6.2%で横ばいの予想。カナダの経済はほぼフルに近い状態まで拡大。雇用市場の余剰が解消されて、労働賃金は今後上昇するとの見通しが強まっています。