3月14日の市場概況

ドル/円:ドル売りムード充満 

 この日のドル/円は、東京時間朝に106.75円まで上げたところで早くも燃料切れ。NY時間までに106.06円まで高度を下げ、1週間ぶりの105円台に接近しました。終値は106.316円(前日比-0.244円)。

 この日発表された米国の2月小売売上高は、予想に反して3カ月連続のマイナスで、個人消費の低迷が明らか。米国では個人消費がGDP(国内総生産)の約7割を占めるため、GDP下方修正のリスクが高まっています。

 トランプ政権のゴタゴタもドル売り材料。コーン国家経済会議(NEC)委員長の辞任で、トランプ大統領の保護主義政策に歯止めをかける閣僚がいなくなったといわれています。ティラーソン米国務長官の解任がなかったとしても、ドル/円は107円台を維持できなかったかもしれませんが、このニュースが米雇用統計発表後に復活したリスクオンのムードに水をかけ、マーケットの目を一段とドル安に向かせたことは確かです。

 

 

ユーロ/ドル:ユーロ高牽制発言に反応

 ユーロ/ドルは高値1.2412ドルをピークに失速。ユーロの為替水準に対してECB(欧州中央銀行)高官からの警戒発言が頻発しています。今のマーケットはユーロ高というよりもドル安の側面が強いため、。ユーロ高が続くならECBの利上げがそれだけ遠のくと強調するしか対抗手段がないようです。ドラギ総裁は、「ユーロ高はインフレ上昇の阻害要因となる」と発言しています。ただし下値も堅く、1.2347ドルで下げ止まりました。

 

 

NZドル/ドル:指標を受けて急落

 NZドル/ドルは、3月1日につけた安値0.7184ドルをベースにして順調に上値を伸ばし、2月23日以来の高値である0.7353ドルまで回帰。しかし、今朝(15日)された10~12月期GDPが前期比、前年比とも予想を下回ったことで0.7273ドルまで急落しています。

 

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