外国人持ち株比率が少し増加したタイミングに着目

筆者が最も注目するのは、この外国人持ち株比率が5%前後で、かつ半年~1年前に比べて持ち株比率が増加している銘柄です。

こうした銘柄は外国人投資家の注目を集め始めた初期段階の可能性が高く、今後さらなる外国人投資家の買いにより株価が「大化け」する可能性も秘めているからです。

注目すべき銘柄をみつけたら、株価チャートをチェックして、上昇トレンドの初期段階であれば飛び乗ってしまいます。上昇トレンドの中期段階以降で、底値から結構上昇している場合はできるだけ押し目を待ちます。下降トレンドなら上昇トレンドに転換するのを待ってから買います。

時には業績や財務状況をみると、とても買えないという銘柄もあるかもしれません。しかし、業績や財務状況が悪い銘柄を外国人が買い進めているというのは、将来業績が急回復し、財務状況も改善することを外国人が見込んでいるからだと推測ができます。現に、業績が急回復したことを多くの投資家が知った頃には、株価がすでに安値から何倍にも上昇してしまっているものです。したがって、外国人投資家が買っているという事実を重視して、株価が上昇トレンドならば業績が悪くとも買い向かってしまうほうがよいと思います。その上で損切りルールを設定し実行すれば問題ありません。

売り時は株価チャートを用いるのが無難

では、外国人持ち株比率の変化を用いた売り時の見極めについてはどうでしょうか。結論からいうと、売り時については、外国人持ち株比率は用いない方がよいでしょう。

なぜなら、外国人持ち株比率がピークアウトし、低下に転じたことが分かった頃には、すでに株価は高値から大きく下落していることが多いためです。

したがって、売り時については株価チャートを用いるようにし、下降トレンドに転換した時点で売るようにすべきでしょう。

なお、株価が天井をつけて下落をはじめ、外国人持株比率がピークから低下に転じた場合は注意が必要です。外国人投資家は、見切りをつけた銘柄については、株価水準如何にかかわらず、すべて売り切ってしまうことも多いように思えます。そのため、一度外国人から見放された銘柄は、ここまで下がるのかというくらいの株価まで値下がりすることがよくあります。よって、株価が値下がりして値ごろ感が出てきても、外国人持株比率の低下が止まらないうちは、安易に手出ししない方がよいと思います。