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今日の一言

最良の日も、最悪の日も、いずれ陽が沈む

Livin' La Vida Loca

 BLS(米労働省労働統計局)が6月7日に発表した雇用統計では、5月のNFP(非農業部門雇用者)は27.2万人増となり、事前予想の19.0万人増を大幅に上回った。前月急減した政府関連とレジャー、ホスピタリティ部門の雇用が今月は大幅増加したためで、民間部門の雇用者数は全体で22万9,000人増加した。なお、4月分は17.5万人から16.5万人へ下方修正された。

 失業率は4.0%に上昇し、2022年1月以来の高さとなった。平均時給は前月比0.4%上昇し、4月の0.2%増から上振れした。前年同月比は4.1%増となった。前年同月比は2022年3月の5.6%をピークに4.0%台まで下降し、この1年間は横ばい状態が続いていたが、3.0%台まで下がる前に再上昇する気配を見せている。19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す労働参加率は62.5%に低下した。

 非農業部門雇用者数は再び増加傾向を示している。20万人以上の増加は、雇用市場拡大というテーマが継続していることを示し、FOMCの米景気拡大の認識は強まっている。しかし、25万人を超える増加は、強い雇用市場がFOMC(米連邦公開市場委員会)のインフレ目標達成を妨げるという懸念を強めることになる。5月の非農業部門雇用者数が27.2万人増という結果になったことで、年内2回の利下げの公算が小さくなっただけでなく、2025年にFRBの「利上げ再開」のリスクも高まることになりそうだ。


今週の注目経済指標